泣き顔マニア ２

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「………っ、すき………、です…」






ちゃんと伝わったかどうか不安になるほど
もう泣きすぎて言葉が上手く出せてない。

でも、先輩の顔が
安心したような笑顔に変わって
唇を噛み締めて、下を向いた。






「もっかい言って？」


「も、もっかい……？」






もう言葉を出すのすらしんどいのに……？！

って思ったけど、
やっと伝えられる言葉を伝えたい気持ち。






「すき………、すきです……っ、
だいすき、です…！！」


「もっかい。」




ええ？！もっかい？！
こうなったらもう意地で、




「北山先輩のことが…っ、す━━━、

「俺もすき。」




言い終わらないうちに
腰を引き寄せられて、耳元で囁かれた。

人通りが少ないとはいえ
道のど真ん中で抱き合って。





「…………う、うそ、」


「なんでだよ、ずっと好きって言ってただろ」





笑ってる振動が伝わってくる。

その心地良さを感じながらも
疑ってしまうほど、好きって言葉が嬉しくて堪らなかった。






「だって……、一年も……、」


「ほんとだよ。
どんだけ自分の気持ち気付くのに時間かかってんだよ」





少し体を離されたかと思うと
ペチッておでこにデコピンされて鈍い痛み。





「ふはっ、つーかお前泣きすぎだろ」


「………大丈夫、」





バカにするように言ってるけど
指先は優しく私の涙をひとつひとつ丁寧に拭ってくれてる。

こういうとこも、好きなのかも。





「大丈夫って？」


「もう先輩がいるから……。
泣いても大丈夫ですもん」





泣いても受け止めてくれる。

そんな存在が私の中で
いつの間にかなくてはならない存在になってた。





「………ばっか、
俺のもんになったらもう泣かせたくはねんだけど」


「え？そうなんですか？」


「そりゃ俺の隣では笑ってて欲しいし………」





って、自分で言っといて多分照れてる。

愛しくて胸がギュッとなる
裕太の時とはまた違う、新しい気持ち。

この人のことを
好きな気持ちだ。




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「………先輩、」





あの時先輩が伝えてくれた言葉を。





「私と………、ずっと一緒にいてください」





━━━━━Fin.

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