泣き顔マニア ２

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━━送別会当日。



「うっわ、何ここ！
めっちゃ肉あんじゃん！」


「お前のために選んだんだよ〜。
北山の好み聞いたら裕太もAも、肉だって言うから」


「さすが、分かってんね〜」





送別会には全員が参加した。

さすが北山先輩というか
後輩からも先輩からも慕われてるのがよく分かる。




.





「先輩っ、お疲れ様でした！」


「おう、サンキュ」




皆で乾杯をしてしばらくしてから
先輩の隣までいって、グラスを合わせた。

終始ニコニコしてる先輩は
とっても嬉しそうで、お別れで寂しいはずなのにこっちまで笑顔になってしまう。





「お肉どうですか？」


「めっちゃくちゃうまいっ！
Aもちゃんと食ってるか？」


「ふふ、食べてますよ。
むしろだいぶお腹いっぱいです」


「そう？これとかもうまかったぞ？」




って、ナチュラルにあーんってしてくる先輩。




「なっ、だ、大丈夫ですからっ///」


「先輩のオススメが食えないのか」


「そんなんじゃないですけども……」




先輩にとっては割とあーんする行為は普通なのか
二人でご飯に行ったりした時もされてたのよね……。

でもでもっ、
ここはまずいでしょ、皆がいるし。





「イチャつくなよな〜お前ら」




ほら、ほらほら、案の定。

目の前に座ってた男の先輩が茶化してきてる。




「いいじゃん最後くらいイチャついたって、な〜？」


「い、いやいや……」


「お前ら結局どうなってんの？
付き合ってんの？」




？！？！？！

その言葉に驚く私とは裏腹に
先輩は、




「付き合ってないよ〜。
Aはちゃんといい感じの男いるから、そいつに任せた」


「へぇ、そうなの？
北山振られてんじゃん、遥を振ったりするからだよ〜」


「んはは、まさにそれな」





平気でそう言ってのけてる。

それを聞いてたっぽい裕太は何か言いたげに立ち上がろうとしてたから
やめて、って目で訴えた。





「……先輩ならあっちでもめちゃくちゃモテるので心配ないですよ」


「正解、その通り」




うひゃひゃ、って笑いながら
自分でモテるってのを認めてる。


でも本当にそうだろうな。

先輩はすぐに新しい女の子が出来て
幸せになれるんだと思う。




そう考えただけで
なぜだか胸が、張り裂けそうに痛いこの自分勝手な気持ち。

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