泣き顔マニア ２

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「やだ、こんなの写真に撮ってたの？！」


「んはは、やば、この顔っ」


「やめてよ、消して〜！」





だいぶお酒も嗜んで
っていうか、甘くて美味しいお酒が多くて
いつの間にかふたりでほろ酔い、楽しくなっちゃってる。

ふたりで寄り添って、裕太の携帯のアルバムを覗き込む。





「今思えば、私たちずっと一緒にいたけど
北山先輩も結構いつも一緒だったね」


「だね〜。
結構な割合で写真に写ってる」





当時写真にハマってた裕太の携帯には
思い出が沢山詰まってて、なんだか胸の奥の方がむず痒い。

画面をスクロールする度に
いつも笑顔な先輩が写ってる。


先輩………、
今何してるんだろう。





「………気になる？」


「え？！」





タイムリーなその質問に
大袈裟なくらい驚いてしまうと、

ふふ、って笑いながらカクテルを飲み干した。





「さっきから携帯のメール気にしてるっぽいから
誰かからの連絡でも待ってるのかと思って」


「いや………、」





そんなつもり全然なかった。

でも言われてみれば
最近ずっと夜には先輩とメールして
必ずおやすみを伝えてから眠りについていたから
癖のように気にしてしまってたのかもしれない。






「ずっと当たり前のように傍にあったものが急になくなるとさ
寂しく感じちゃうもんだよね」


「…………、」


「だからその点は俺も同じかも」


「え？」





携帯の画面が暗くなって
裕太が私を真っ直ぐに見つめてくる。



至近距離、潤んでる瞳、熱を持ってる頬。

全てが私の大好きな人で
全てが今、私の手の届く目の前にある。





「遥さんと付き合ってAとほとんど仕事以外で話さなくなって
正直ちょっと寂しかったとこあったの」





あまりにも意外だった。

そんなこと思われてるなんてこれっぽっちも思ってなかったし
なんなら私の存在把握してる？くらいに思ってた。





「………このあと、どうする？」





酔ってる………のか。

でも、裕太の想いを聞いてからのこの言葉に
期待なんてしないわけない。





「家で飲み直す？」





こんな誘い、友達の時は期待しては裏切られてきたけど
この雰囲気は違うって分かる。



裕太がちゃんと
私に男を見せてくれる。

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