はちみつ色の日々

同期の宏光 ページ44

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「宏光お待た…せ…………、」





会社帰り、待ち合わせしてた居酒屋に着くと
何やら二人組の女の子に囲まれてる。

しかも楽っっしそう〜に。





「あ、お疲れ。
じゃあツレ来たからまたね〜」


「え、じゃあじゃあ連絡先交換しようよ〜っ」


「んー、また今度会えたらね」


「なにそれ〜、確率低い〜っ」




その方が運命的じゃん、って笑いながら
私を隣に呼ぶ宏光に、苦笑い。

とりあえず行くけど
完全に女の子たちに睨まれてるよね。





「ビール、ください」





こんなこと日常茶飯事だ。

なんだろね、逆ナンされ体質っていうか
決して宏光から声をかけてるわけでもないのに
女の子がたえない。





「なんだよ、なんか怒ってんの？」


「別に。早く飲みたいだけ」


「そ？」





ばいばーい、ってもう離れてってる女の子たちに手を振りながら。

でも私は文句は言えない。
だって……………、
彼女でもないしただの仲のいい同期だから。






「遅かったな、だから手伝うっつったのに」


「遅かったお陰で可愛い女の子に囲まれて良かったじゃない」


「まぁな」


「…………、」





むっかーーー！！

そこは否定しなよね！！
宏光のばか！ちび！！





「乾杯しようぜ、かんぱーい」


「………乾杯」




コツン、てグラスを合わせて
宏光は二杯目のビール。

うめぇ、ってネクタイ緩める宏光は
やっぱりかっこいい。

さっきの女の子達の前で緩めてなくて良かったって思うほど。





「もうすぐハロウィンだな〜
ハロウィン飲みする、とか宮田が張り切ってたよ」


「宮っち？
それはコスプレありきなのかな」


「それそれ、それ狙い」


「あはは、いいね。
私も普段コスプレなんてしないし楽しそう」


「…………」


「え？」





何故か黙った宏光に
ビールを下ろして枝豆を摘んだ。





「やめとけ、お前がコスプレなんて」


「酷っ、私のコスプレなんて需要ないって？」


「そうそう、…っ痛！」


「ばか！そういうとこ！！」





需要ないのなんて分かってるけど
宮っちだって他に呼ぶメンバーだって
可愛い後輩やらセクシーな先輩のコスプレを期待してるのも知ってるけど。






「ったく、すぐ手出すお前は」




痛ぇな、って私が叩いた肩をさすってる。

手出したくもなるでしょ、
これでもまだ弱いパンチだったと思う。

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