はちみつ色の日々

＊ ページ21

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「いや〜懐かしいっすね。
まさか先輩とこんな風に飲める未来が来るなんて想像もしてなかった」


「それは私もだよ〜。
北山くんがビール飲んでるなんて不思議」





乾杯をしてお酒を喉に流し込んでしまえば
少しだけ解ける緊張感。

北山くんの顔付きも
さっきよりリラックスしてふにゃふにゃしてる気がする。

それがまた可愛いなぁ、もう。





「そういえば北山くん、彼女は？
いたらちょっとやばくない？」




今更なんだけど、さすがに彼女持ちの男の家に来るのは良くないかなと聞いてみるけど




「いないっすよ、
つか最近別れたばっかで〜長続きしないんだよね俺」


「へぇ、北山くんほどの男の子がね」


「俺はどれだけの男なんすか」


「ふふ、いやいや、かっこいいからさ」





って、この言葉に照れてる。

そういえば北山くんは
褒めると分かりやすく照れる子だった。

思わずこっちに笑みがこぼれてしまうほど。





「じゃあAさんは？」


「え？」




自分の話を逸らすように私に話題をシフトチェンジされて
思わず言葉に詰まってしまった。

彼氏どころか
明日結婚する身だっていうのに……、
さすがにそれは引くよね……。





「あ、もしかして彼氏いる感じ？」


「う、いや………」





ていうか、そんな普通に彼氏いる感じ？とか聞くかな普通。

いたら大問題だっていうのに
そんなこと気にしません、みたいな。





「まぁ、いいけど。
彼氏いたって奪えばいいしな」




……………、

それはどういうつもりで言ってるんだろ。

奪うって……、
今日ここに連れてきたのは
一晩限りの相手が欲しかっただけにしては、出てこない言葉。

なんだか挑戦的な北山くんに
私もギリギリまで攻めてみたくなってしまって、





「でも、私あした結婚するよ？」





内心ドキドキしながらも
正直にそう告げた。

さすがに目を見開いて驚いてたけど
次の瞬間には、あははって声を上げて笑い
おいしょって、向かい側に座ってた場所から移動してきて



ソファ下での、隣同士の至近距離。

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