はちみつ色の日々

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「………え？妊娠？」



あれから数週間がたった頃だった。

急に田中先輩から
"奥さんが妊娠したからもう会えない"って告げられたのは。



「ごめんな、さすがにもう終わりにしないとさ」


「………そう、なんだ、」


「大丈夫だよな？
もとからそういう関係だったんだし」


「………うん、」




終わりってあっけない。

一人残されたホテルの部屋は
とてもつなく広く感じる。


……ていうか、
別れ話する前に普通抱いたりする？

悲しくはあるけど、涙は出ないし
そのままポスッとベッドへと寝転んだ。






「玉森くん……、」



"辛くなったら連絡してくださいね"って
彼の言葉がなぜか頭に浮かんで、自然にその名前を口にしてた。


通話ボタンをタップして
いち、にー、さん。




３コール目でそのまま電源を落とした。





何してんだろ、私……………、






.








━━━━━ん…………、



そのまま眠ってしまっていたらしく
微かな物音で目を覚ました。

まだ起ききらない頭で体だけを起こすと
なぜかそこには玉森くんがいて、




「もう…、なにしてんすか」




少し怒ったような口調でズカズカ近づいてくると

そのままふわっと抱き寄せられた。





「…………え？玉森くん………？なんで、」


「手のかかる子供っすね」




抱き締められてる体から伝わる鼓動は早くて
息もきれてる。

走ってきたのか、急いできたのか
それが全部体から伝わってきて
なぜだか涙が溢れてきた。




「だから…、子供じゃない、ってば……っ」


「俺だって子供じゃないよ？」




……分かってる。
そんなの分かってるよ。

感じる体も、手つきも
全部全部、困っちゃうほど男しか感じないんだもん。





「俺のことスキでしょ？」


「………知らない、」


「……悪い子め。」




悪い子にはお仕置きだぞー！って
噛み付くようにキスをされて、




「大人同士じゃなきゃ出来ないことしてもいい？」




って、今度は優しく甘くキスを落とされた。

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