はちみつ色の日々

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「ねぇっ、ちょっと待ってよっ」


「そろそろ俺ら、本気だすからね」





靴を履いて、またこっちを見て。

その真剣な眼差しに
思わず引き止めようと掴んだ裕太の腕を無意識な強く握ってた。





「絶対に俺の事選んでよ！」


「だ、だからなにがっ」


「じゃあね！！！」




私に掴まれてる腕を優しく解いて
バタン！と閉められた扉。

どんどん遠くなるその足音に
私は立ち尽くしたまま。




「どうしたのよ、急に………」



でも、最近少し違和感を感じてた。

その違和感が何かと言われたら上手く説明は出来ないけど
三人と私の間に
男と女、っていう壁があるこの感じ。


いまの四人の関係が変わってしまうような
心がざわつくのを、この時感じてしまっていた。






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━━━玉森side


「緊急会議！！！！」




Aの部屋から飛び出して
そのままの足で二人を緊急招集した。




「なんだよ、俺レポートあんだけど」

って、面倒くさそうなミツと



「Aのこと？」

って、さすがは勘が鋭いガヤ。





「そう。
さっきね、Aの部屋に行ったらおばさんいなくてさ」


「はぁ？お前抜けがけかよ」


「違うよ、違う！
だから帰ってきたんだって！」


「もう家に侵入する時点で失格！！」


「朝からAの足見て
鼻の下伸ばしてるやつに言われたくない！！」



「落ち着いて、ふたりとも」





ギャーギャー言い合う俺とミツを冷静になだめるガヤっていうこの構図は変わらないんだけど、





「もうそろそろ変わろう！」





Aとは変わらなきゃいけない。





「Aとのこと？」


「そう。
ガヤもそう思うでしょ？」


「まぁね〜。我慢の限界ではあるよね」


「だよね、俺もさすがに部屋にふたりっきりは無理だった。
思春期にはきつい」


「はは、よく頑張ったな玉」





頑張ったっていうか
逃げたって言った方が正解なんだけど
ここは黙っとこ。

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