HONEY LOVE ６

＊ ページ31

━━You side



「どした？」

「これ誰から貰ったの？」




みっくんから差し出されたチョコレート。
可愛いピンク色の包みで、明らかに怪しい品。




「普通にスタッフさんだけど」

「女のスタッフさん？」

「そう」

「バレンタインチョコ？」

「だと思うけど」

「もうかなりバレンタイン過ぎてるよ？
なんで今更？」

「…………さぁ？」





バレンタインは14日なはずだよね？
それをどうしてわざわざ遅れてまでみっくんにくれたのか、
バレンタインの日にたまたま仕事一緒になったからあげまーす、ならまだ分かるけど
もう過ぎてるのにわざわざこんないいチョコレート……？





「おかしい……おかしすぎる」

「ま、いいから食おうぜ」

「ダメだってっ、……………あれ？」




食べようとしたみっくんの手から遮るためにチョコを動かすと
パサっと下に何かが落ちた。

拾ってみるとそれは一枚の紙切れで、




"よかったら連絡ください"


と書かれた文字とラインのIDが記されてた。






「………」

「………」




二人でそれを同時に目視して沈黙。

ほらやっぱり、言わんこっちゃない。

みっくんを狙ってるスタッフさんだ。






「なんだろうな、なんか俺に用事でもあんのかな」

「ばかっ！分かるでしょさすがにっ」




しらばっくれるんじゃないよぉぉ！！とチョコを投げつけそうになったけど
チョコに罪はない……！と直前で留まりテーブルへ。

キラキラ輝く包装紙が目に入ってきて挑発されてる気分。





「んー、まぁ別に連絡しないし」

「……当たり前じゃん、」

「だったら別に良くね？」




みっくんはそう言うけど
なんとなくやっぱりいい気はしない。

結局そのチョコには手をつけず
ソファの上で小さくなって座り込んだ。




「こんな刺 激はいらなかった……」



刺 激がないなぁ、とは言ったけど
こんなのを求めてたわけじゃないし
なんなら今改めて、平和でなにもないのが一番なんだなぁと実感させられてしまった。

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