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や、やってしまった……っ
ただリップを拭おうとしただけだったけど
思ってる以上に先輩の唇が柔らかくてぷるぷるだった。
その恥ずかしさから
咄嗟に平然を装って先輩を追い出しちゃったけど……、
「…………」
じっ…、と見てしまうさっき触れた人差し指。
「はっ!!」
やだやだ、変 態かっ!
ぶるぶると首を振って慌てて部屋の中へと戻った。
でも正直、先輩が来てくれて助かったことは事実だ。
もしあのままだったら私やばかったかもしれない、
立ち直れずに、一晩中泣き腫らして………、
考えただけでゾッとする。
でも、いくら先輩が来てくれたって
裕太が遥さんと付き合った事実は変わらない。
明日私はちゃんと
裕太の前で笑うことは出来るのかな……。
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******
そして、どんなに憂鬱でも時間は過ぎる。
あっという間に朝が来て
気付けばもう会社は目の前。
深く深呼吸をして入ろうとしたその時━━、
「裕太くん」
遠くから聞こえたその声にハッとした。
エレベーターあたりで遥さんに声をかけられて
緩んだ顔で振り返ってる裕太。
ズキッ、と胸が痛んで足がすくむ。
何を話しているかまではさすがに聞こえないけど
その顔、仕草、眼差し
どれを取っても、裕太からは愛しさしか感じない。
「………!」
足を止めていると、ふと遠くの裕太と重なってしまった視線。
慌てて表情を整えて足を進める。
一歩一歩が鉛のように重く感じて
近付くごとに、心臓が悲鳴をあげてる。
「………おはよう、」
声を振り絞ってそう声をかけると
裕太はいつもの笑顔でおはようって返してくれて、
「あ、おはよー」
遥さんも私を振り返り、笑顔で挨拶をしてくれる。
その笑顔に、自分の中の黒い感情が溢れだしそうで
思わず拳をギュッと握りしめてた。
「ちょうど良かった、Aちゃん。
今日のお昼空いてる?
二人でランチでもどうかな?」
そのお誘いに
裕太まで驚いた顔をしていて、私は驚き以前に呆気に取られてしまった。
二人で仲良くランチ、だなんて間柄でもないし
ましてやこのタイミングで……?
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はちみつみゆ(プロフ) - yammyさん» そらジローのお話、まじで書いちゃいました。笑 何が書きたいの?って感じのくだらないお話ですけど良ければ短編集の方で書きましたので暇な時にでも覗いてやってくださいね(^^)そしてこちらも移行したのでよろしくお願いします♪ (2020年7月11日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
yammy(プロフ) - そらジローのお話も今から楽しみにしておきます!(*゚▽゚*)笑 (2020年7月10日 21時) (レス) id: 36ae78d69b (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - さっこさん» そう言っていただけて感謝ですー(;▽;)私も長編を覚悟してたんですけど、案外終わりそうだなと思いまして。笑 北玉で揺れる人生歩んでみたかったですよね…でも私実際その状況だったら玉ちゃん溺愛しそうな気がします(誰担や)移行先でもよろしくお願いします♪ (2020年7月10日 16時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - ソフィアさん» 私もです〜!あの可愛さは罪ですよね…。私たちですら悶えてるんだから、みっくんなんてもうお顔デレデレでしょうね(^^)両バージョン完結!私もそれ考えたんですけども…どうしようかと…ちょっと考えてみますね♪移行先でもよろしくお願いします♪ (2020年7月10日 16時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - え?もう次で終わっちゃうんですか?勝手に結構な長編になるかと…。このお話の北山先輩めちゃくちゃ好きなので、まだまだ続いて欲しい気持ちでいっぱいです!笑 北玉の間で揺れるなんて贅沢ですよね〜!こちらのお話の更新、毎回すごく楽しみにしてます(´∀`*) (2020年7月10日 0時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2020年5月26日 10時