30 ページ30
.
「裕太くん、Aちゃんおはよう」
噂をすれば遥さんがいつの間にか後ろにいて
振り返ってみれば、その目は化粧で誤魔化してはいるものの
痛々しくらいに赤くなっていた。
「遥さんっ、大丈夫なんすか?!」
すぐに駆け寄って心配しながら肩に触れてる裕太。
………いつの間にそんなに簡単に触れられるようになったのよ。
「うん…、いつまでも休んでいられないしね。
昨日はありがとう。
あ、Aちゃんも!用事があって先に帰っちゃったんだよね?
ごめんね、わざわざ来てくれて」
「……あ、いえ……、」
「もう大丈夫だから。
なんとかする……、もう一回宏光と話し合ってみるね」
後輩に心配かけちゃって情けない、って痛々しく笑ってる。
その顔を私は直視出来なかった。
だって、その涙の原因である北山先輩と
昨日私は………。
「あ……、私先に行きますねっ
頼まれてた仕事まだ終わってないので、始業前に終わらせたくてっ、」
「わ、そうだったのね。
ごめんね、引き止めちゃって」
そんな仕事あった?って裕太からの視線を感じたけど
逃げるようにその場をあとにした。
.
「どうしたらいいの……、」
エレベーターの中、ひとり途方に暮れる。
北山先輩が私のことを好きだなんて知ったら
遥さんはどう思うだろう。
とことんややこしくなりそうなこの関係性に
項垂れるようにエレベーターの壁にもたれかかった、
「っ、わっ、!!」
瞬間、その壁は無意識にドアの方だったらしく
到着したのにも気付かず、開いた扉によろけるようにフロアに倒れ込んでしまう。
「………なんしてんの、お前」
「あ、はは………、
おはよう……ございます……」
そこに丁度よくいたのは北山先輩で
もう仕事を始めていたのか、書類を手に抱えてる。
「たまにそういうボケかますよな、Aって」
「ボケじゃないですっ、ちょっとぼーっとしてて」
「それをボケっていうんだよ」
違うもん。
そもそも北山先輩のことで考え事してたからだもん、と目で訴えてみるけど
気付くはずはないしね。
1132人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はちみつみゆ(プロフ) - yammyさん» そらジローのお話、まじで書いちゃいました。笑 何が書きたいの?って感じのくだらないお話ですけど良ければ短編集の方で書きましたので暇な時にでも覗いてやってくださいね(^^)そしてこちらも移行したのでよろしくお願いします♪ (2020年7月11日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
yammy(プロフ) - そらジローのお話も今から楽しみにしておきます!(*゚▽゚*)笑 (2020年7月10日 21時) (レス) id: 36ae78d69b (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - さっこさん» そう言っていただけて感謝ですー(;▽;)私も長編を覚悟してたんですけど、案外終わりそうだなと思いまして。笑 北玉で揺れる人生歩んでみたかったですよね…でも私実際その状況だったら玉ちゃん溺愛しそうな気がします(誰担や)移行先でもよろしくお願いします♪ (2020年7月10日 16時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - ソフィアさん» 私もです〜!あの可愛さは罪ですよね…。私たちですら悶えてるんだから、みっくんなんてもうお顔デレデレでしょうね(^^)両バージョン完結!私もそれ考えたんですけども…どうしようかと…ちょっと考えてみますね♪移行先でもよろしくお願いします♪ (2020年7月10日 16時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - え?もう次で終わっちゃうんですか?勝手に結構な長編になるかと…。このお話の北山先輩めちゃくちゃ好きなので、まだまだ続いて欲しい気持ちでいっぱいです!笑 北玉の間で揺れるなんて贅沢ですよね〜!こちらのお話の更新、毎回すごく楽しみにしてます(´∀`*) (2020年7月10日 0時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2020年5月26日 10時