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「じゃあ…、今日はありがとうございました」
「おう、泣きそうになったらいつでも呼べよ」
「ふふ、はい」
部屋にいろ、って言われたけど
無理やりに先輩をマンションの外まで見送ってから部屋に戻る。
静まり返ってる部屋にまた心細くて泣きそうになり
カバンから携帯を取り出してみるけど、
……………連絡はなし。
とことん私は裕太の眼中にはないことをまた思い知らされて泣きそうになったとき、
ピロン♪
と届いた一通のメール。
"泣いてないか〜?腹減った〜"
って、絵文字も何もない二言だけの先輩からのメール。
「腹減ったって……、」
私の心配をしてるのか、お腹が減ってるのか
よく分かんないメールに思わず笑みがこぼれる。
そのお陰か少しだけ心が回復して
このままベッドに潜ってしまえば、すぐにちゃんと眠れそうな気がした。
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━━━次の日。
朝から裕太と会うのにビクビクしながらの出社。
なんて言おう、なにを聞こう。
ずっと考えてるのに、全然いい考えが思い浮かばない。
「はよー」
「あ、お、おはよっ!」
急に後ろから声をかけられて
振り向くといつと通りの裕太の姿。
その姿にホッとしたのに
緊張で声が上擦ってしまった。
「昨日ごめんね、ちゃんと帰れた?」
「あ、うん……。
私の方こそ先に帰っちゃってごめん」
「それは全然いいんだけど
一人で帰るの危ないんだから、気をつけてね」
「………はーい、」
一人で帰りたくて帰ったわけじゃないんですけど。
……って言いたかったけどここは言葉を留めておこう。
「遥さんは……?
あれから大丈夫だった?」
だって私が今一番気になるのはここだから。
聞きたくないけど、聞かなきゃモヤモヤするし
意を決して聞いてみたのに、裕太は複雑そうに顔を曇らせた。
「………うん、もう大丈夫って言ってたけど」
「けど?」
「めちゃくちゃ心配。
あんなに泣いてる遥さん、初めて見たもん」
「………そっか、」
裕太は知らないもんね。
その瞬間に私も同じくらいに泣いてたんだよ?
裕太のことを痛いくらいに思って
傷ついてるのは、遥さんだけじゃないんだよ……?
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はちみつみゆ(プロフ) - yammyさん» そらジローのお話、まじで書いちゃいました。笑 何が書きたいの?って感じのくだらないお話ですけど良ければ短編集の方で書きましたので暇な時にでも覗いてやってくださいね(^^)そしてこちらも移行したのでよろしくお願いします♪ (2020年7月11日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
yammy(プロフ) - そらジローのお話も今から楽しみにしておきます!(*゚▽゚*)笑 (2020年7月10日 21時) (レス) id: 36ae78d69b (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - さっこさん» そう言っていただけて感謝ですー(;▽;)私も長編を覚悟してたんですけど、案外終わりそうだなと思いまして。笑 北玉で揺れる人生歩んでみたかったですよね…でも私実際その状況だったら玉ちゃん溺愛しそうな気がします(誰担や)移行先でもよろしくお願いします♪ (2020年7月10日 16時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - ソフィアさん» 私もです〜!あの可愛さは罪ですよね…。私たちですら悶えてるんだから、みっくんなんてもうお顔デレデレでしょうね(^^)両バージョン完結!私もそれ考えたんですけども…どうしようかと…ちょっと考えてみますね♪移行先でもよろしくお願いします♪ (2020年7月10日 16時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - え?もう次で終わっちゃうんですか?勝手に結構な長編になるかと…。このお話の北山先輩めちゃくちゃ好きなので、まだまだ続いて欲しい気持ちでいっぱいです!笑 北玉の間で揺れるなんて贅沢ですよね〜!こちらのお話の更新、毎回すごく楽しみにしてます(´∀`*) (2020年7月10日 0時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2020年5月26日 10時