甘く、苦く、こい。

２０ 北山side ページ20

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最近すげぇ満たされまくってる。

なんつーのかな、彼女とは違った満足感というか
欲だけをぶつけ合う、みたいな。






「二階堂も今日行くの？」


「はい、葵ちゃん来るらしいし」


「ふーん」


「ダメっすよ？
ミツ先輩は狙わないでくださいね？」


「狙わんわ」





あの日以来の会社の飲み会。
定期的にあるものの、別に今までそこまで楽しみにしてたわけじゃないけど
今日はAがいるし
終わったらうちに来てくれるし。





「Aさんとはどうなったんすか？」


「別に〜。どうにもこうにも」


「ふーん」




もう興味もないのか
濁す俺にさほど追求するわけでもなく。

仕事するぞ〜、と二階堂の背中を押して
楽しみを糧に午後の仕事に取り掛かった。






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「飲んでます？」





飲み会もいい感じにほぐれてきた頃
最初は遠かったAとの距離を縮めて、隣にビール片手に座り込んだ。





「うん、飲み過ぎなくらい飲んでる」


「え、あんま飲み過ぎないでくださいよ」


「いいじゃーん、飲み会久しぶりだし」





一応別に周りの誰も聞いてるわけでもないと思うけど敬語で気を使ったのに
Aはふにゃふにゃに笑いかけてくる。

もう、その可愛い顔今見せられてもどうしようも出来ねぇのに！





「……約束、忘れてないっすよね？」


「もちろん」




結構頻繁に会ってるつもりなのに
まだまだこうして二人で会うのを楽しみに出来る。

なんならもう早く飲み会抜け出してぇな、って思ってると
テーブルの下で手が触れて、






「早く二人になりたいね」





って。

周りに見えないように、バレないように
煽りに煽りまくって誘ってくる。






「………なんなんすか、まじ…、」


「ん？」


「飲み会終わったら即効俺ん家ね」


「はーい」





触れた手をギュッと握り返して
そこからはずーっとテーブルの下、手を繋いでた。

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