HONEY LOVE ５

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「あっ、ちょっと！」





そんなことを考えてる間にも
ハート型の真ん中からザクっとナイフで切り出して、





「え？なに？」


「せっかくのハート、そんな速攻で割る？！」


「………あ、ごめん」





Aも食いたいかなって思って、って
全く悪気はないんだろうけど
ハートが無惨な姿になっちゃってるし。



「まぁいいけど…、食べたいし」


「だろ？
半分ずつ食べて、二人でひとつのハートになんだよ」


「ふーん」




割っちゃったことに対しての言い訳というか
そんな風にしか聞こえないけど
私もフォークを手にして、一緒にいただきますをした。





「あっ、じゃあどうせだったら
お互いにあーんして食べようよ」


「え〜お前いつからそんな可愛いことしたい子になったの」


「なっ、いいでしょ別にっ！///」





バレンタインくらい可愛く甘えたいと思ったのに
そうもド直球で言われるとやりずらいじゃん！

でもそんな私にもニヤニヤ嬉しそうで
おっきめにフォークにぶっ刺してるケーキを私の口元に差し出してくる。






「…………おっきい、」


「じゃあ、おっきいよみっくんって言ってみ？」


「なにそれ、ばか」


「んふ、早く食え」





めっちゃくちゃ大きな塊を口にすると
甘すぎるくらいの味覚に一気に幸せな気持ちになった。





「おいしい！
あ、ていうかひろより私が先にたべてどうするの。
はい、あーん」





負けじと私も大きく刺したチョコケーキ。

それに相応しい大きな口を開けてもぐもぐ。





「んっ、んまいっ！」


「へへ、よかった〜」





大袈裟なくらい美味しそうに食べてくれるとこ
本当に好きなんだよね〜。

そんなに甘い物好きなわけじゃないくせに。






「ヒカリがもう少し大きくなったら
一緒に作ってひろにあげれるんだろうな〜」


「やっべぇな、そうなったら泣くかもしんない俺」


「重っ！バレンタインで泣くパパとか重っ！」





でもまじで泣きそう。
安易に想像できちゃうもん。

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