ころころ愛ごころ

４８ 北山side ページ48

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「あれ？今日A休み？」





いつものように仕事終わりに店に行くと
いるはずのAがいなくて、閉店作業をしてる藤ヶ谷のとこに顔を出した。





「うん、あれ？聞いてなかった？」


「聞いてねぇけど、まぁいいや。
飯食ってこ〜」





いないならいないで、ゆっくり飯でも食ってこうかと
横尾さんにメニューをリクエストに向かった。





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「あ〜、うまっ」




横尾さん特製ハンバーグを食べながら独り言。

その目の前にはまだ閉店作業をしてる藤ヶ谷。




「………、」


「………、」




昔から沈黙が苦手な俺は
その空気に耐えきれなくて、どうでもいいようなことでも話しかけちゃうんだよな。




「藤ヶ谷、最近どう？」


「ん？」


「Aと、どんな感じかな〜って」




手を止め、こっちを振り返った藤ヶ谷は
軽い口調の俺とは裏腹に、うーんって少し考えたあと口を開いた。




「最近店も忙しいし
たまの休みは北山が乱入してきたし、どうもこうもないけど」


「そう、だよな」




そうだ、そうだった。
店の定休日に無理やり二人の間に入って飯食ったんだっけ……。
あん時の藤ヶ谷は、表情こそ普通だったものの
機嫌悪いモードに入ったのに俺は気付いたぞ。

でもなんとなく？
Aと藤ヶ谷を二人っきりにしたくなかったっつーか。





「北山こそどうなの？
好きなんでしょ、Aのこと」


「う……………ん、はっ？！」


「最初ここに連れてきた時から少なからず好意はあったはずだし
一緒に過ごすうちに好きになってるように見えるけど？」


「なっ、ち、違ぇよっ」


「分かりやすいよね、北山って」





淡々とそう言いながらまた閉店作業の手を動かし始めてる。

前に話してたAに似てる子を昔二人で好きだった時も
こうして藤ヶ谷に言われたことがあった。

好きなんでしょ？って余裕げに。

それがなんだか気に食わなくて
否定もしたし、好きじゃないふりもしてたけど
結局はバレバレだったしな。






「じゃあ藤ヶ谷は？
なんでそこまでAに協力したり深入りすんの？」


「面白そうだからって前にも言ったじゃん」





面白そう、ってだけで
普通ここまで関わって良くしてあげるもんなのか…？

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