ころころ愛ごころ

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……あったかい。

これは不感症を治すためのリハビリなはずなのに
よく分からなくなってくる。






「でも私も、よく考えてみたらこうやって誰かとくっついて寝るのって久しぶりかも」


「え？元カレは？」


「最後の方はあんまりくっついて寝たりしてなかったな………」





今思い返してみれば
一緒に布団に入ることも、くっついて寝ることも
しなくなっていた。

その心地良さに甘えてなんの努力もしないで
身体を許すことだけはしなかったなんて
浮気されてもしょうがないようなことを私もしてたんだ。







「手が出せないとなると
こういうスキンシップ大事だろうしな」


「やっぱそうだよね……。
でもあんまり変に密着して、刺激するのもダメかなって思ったり」


「そんなに怖いわけ？」


「行為が怖いとかじゃないんだけど…、
感じることが出来ない自分が怖い」






胸元に抱えるように押し付けてくれるから
ミツの心臓の音が子守唄みたいに気持ちいい。






「だから、本当に感謝してるの」


「うん？」


「会ったばっかりのこんな面倒な女のこと
気にかけてくれて、治そうとしてくれて」


「それは藤ヶ谷に言ってよ、
あいつの方がAのこと気にかけてたからさ」


「でもミツだって
なんだかんだでこうやって親身になってくれてるもん」






この二人がどうしてここまで私に肩入れしてくれるのかは分からないけど
悩みを正直に打ち明けてこうして甘えられる存在があるって
凄く恵まれてることなんだと思う。

彼氏にこのコンプレックスを治してもらうのは難しいけど
深い関係にさえならなければ
きっと大丈夫、そんな気がしてる。







「……………ミツ？」





そんな事を考えている間に
いつの間にか規則正しい寝息が聞こえてきていて
胸元から少し顔を上げてみると
子供みたいに無防備に眠ってしまっていた。






「……おやすみなさい、」





また顔を埋めて目を瞑ると
私もすぐに心地いい眠りへと引きずり込まれていった。

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