ころころ愛ごころ

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「おっつ〜」




それから色々と仕事の内容やらの話を聞いていると
あっという間に外は暗くなり始めていた。

それを知らせるように店にやってきた北山さん。





「あ、北山さん」


「ここで働くことになったんだって〜？」


「そうなんです、昨日は迷惑をおかけしまして……」


「本当だよ」


「え、」


「横尾さーん、俺しょうが焼きっ！」






本当だよ、ってここに連れてきてくれたのは北山さんなのに
いや、まぁまさかあそこまで泥酔されるなんて思ってなかったかもだけどさ…。

さっきまで太輔さんと話してたからか
北山さんの正直っぷりというか、ばっさり加減に引いてしまった。

そんな私のことなんてお構い無しに
しょうが焼きなんてねぇよ、って横尾さんにばっさりされてる。






「つーか住むとこも俺らんとこなんだって？」


「そうなんです、何から何までお世話になっちゃって」


「ふーん」


「………え、なんですか？」






急にじっと見つめられて思わずたじろいだ。





「その恩いつか、身体で返せって言われるかもよ？」


「…………はい？」


「まだまだ分かってねぇな、藤ヶ谷のこと」





ふふん、って鼻で笑われたかと思うと
今度はハンバーグ定食！と、元気よくまた横尾さんに向かっていってしまった。






「身体で返せ……？」





なにそれ、チャラそうな北山さんじゃあるまいし……。

でもふと今朝のエレベーターでの出来事を思い出した。


急に空気がガラッと変わったかのようになったあの瞬間
恐怖を覚えるほどのゾクゾク感というか。







「A、
俺まだ店あるから、北山ご飯食べ終えたら一緒に帰っててもらえる？
まだ布団とかもないだろうし、明日一緒に買いに行こ」


「あ、はい」


「とりあえず今日は俺の部屋に泊まればいいから」


「え、」


「じゃあお疲れ様」






部屋に泊まる………？

その言葉にフリーズしてる私を
北山さんは、ほらなって顔して見てる。

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