HONEY LOVE ４

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「もうすぐ一年かぁ……」








北山さんと親しくなった少し肌寒い季節から
冬が来て春が来て夏が来て、また同じ季節になろうとしていた。

仕事がよほど忙しくない限りは週一くらいのペースで来てくれてて
連絡はほぼ毎日取ってる。

……というか、返事が来なくても
ウザがられるの覚悟で次の日送ったりしてる。








「あ、いらっしゃいませ」








そんな事を考えているとお友達と来てくれた北山さん。

よっ、てお馴染みの挨拶を交わして
お馴染みの席へと。









「姉ちゃん、注文〜！」


「はーい」







北山さん達からのビールの注文を受けてから
隣の席へと注文を取りに行くと、








「姉ちゃん、いい体してんな〜」


「あ、はは、ありがとうございます」


「どうだ？今夜？」


「ひっ、！！」







腰元を撫でられてゾクッとした。

男三人のこの席はさっきから酔っ払っててたちが悪くて
周りも助けるどころかこの様子に笑ってるだけ。








「失礼します…っ」








客商売とはいえ不快しかなくて席から抜けると
ドンッと背中に誰かがぶつかった。









「わ、ごめんなさいっ」







慌てて振り返って謝ると、それは北山さんだった。







「大丈夫？」


「あ……、はい……。
なんか酔っ払ってるみたいで…」


「注文とか頼まれたら店長に頼んだ方がいいよ、危ねぇから」







珍しく真剣なお顔で凄く心配されてるから
それに不覚にもキュンとしてしまった。







「……心配してくれてます？」


「はぁ？普通は心配すんだろ」


「えーへへ」


「喜ぶなっ」







頭をコツンとされて、また席へと戻っていってしまう。

こんな状況なのに喜ぶとかほんと異常かもしんないけど
デレデレしてられるのもこの時までだった。








.








「北山さん、さっき心配してくれたお礼に枝豆サービスしときますね」


「え、まじ？いいの？」


「その代わりまた心配してください」


「えーじゃあいらねんだけど」






いいからいいから、って無理やり枝豆をテーブルに置いて
またいつもの接客へと戻った。

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