HONEY LOVE ４

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「やべ、ちょ、これどうすんのっ」


「きゃー、やだ、私に魚近付けないでっ」


「なんでだよっ」







あれから無事に一緒に朝釣りへと来ることが出来た。




…………が、初心者ふたりの私たちはてんやわんや。









「ほらほら、釣れたのはこっちに入れとけばいいよ」


「あざーす。
つかAちゃん、全然魚触れねぇじゃん」


「だ、だって怖いし………」








ギョロっとしてるし、ヌメッとしてるそれは
私には到底触ることが出来ない。
だから前に来た時も釣り上げる専門だったし。








「ほーれほれほれ」


「ぎゃっ！！や、やめてくださいよっ！！」


「んはは、大丈夫だって可愛いって〜」






順応性が凄い北山さんはもう華麗に魚を手にしてる。
なんなら魚が北山さんに懐いてるようにすら見える。








「ほら、ちょっとここ見てみ？
魚の模様がハートになってる」


「え？ほんとですか？」








バケツ横にしゃがみ込む北山さんの横に
くっつくように私もしゃがみ込むと、







「なーんちゃって」


「ぎゃーーっ！！」







クルッと魚を反転させて目の前に魚のギョロっとした目を近付けられた。

驚いて船の上で尻もちをついてしまった私を見て
それはそれは楽しそうに笑ってる。




その笑顔が悔しいけど素敵すぎる。

朝の日差しのキラキラに負けないくらい
きっと北山さんの笑顔の方がキラキラしてて、直視できないくらいだ。









「んはは、ごめんね」


「…………絶対北山さん、私の事からかってますよね」


「んー？そうー？」








とぼけながら手にしてた魚をバケツに入れると
尻もちをついたままだった私に、手を差し伸べてくれた。







「ほら、いっぱい釣れたしそろそろ店長に捌いてもらおうぜ」


「……………はい、」









北山さんは魚を触ってたからゴム手袋をしてるけど
その手に掴まるのを躊躇ってしまうほどドキドキした。

良かった、これが素手じゃなくて。
素手だったらきっと私はこの手に掴まることが出来なかった。








「ふは、ほっぺに水ついてるよ」







至近距離、こんなに明るいところで彼を見たのは初めてで
手袋をとった手の甲で私の頬をぐいっと拭ってくれた。









「……………っ、///」









もう無理、って思った瞬間だった。

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