HONEY LOVE ４

頼れる男 ページ48

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「ねぇねぇみっくん、これ書いてくれない？」





会社の子の出産祝い。

仕事に行く前のみっくんに
その祝儀袋に書く名前をお願いする。





「また？
お前いつも俺に書かせんじゃん」


「だって私字下手だし……」


「別に俺も上手くないよ」


「またまた〜めちゃくちゃ上手いじゃん」


「そう？」





分かってるくせに
わざわざ言わせてくるあたりも分かってる。

そしてこうしておだててあげれば
上機嫌で書いてくれるしね。





「俺Aの名前書くの得意になっちゃうわ」


「いいじゃんいいじゃん！
そうなったら私これから先困らないし」


「便利屋か、俺は」


「でもいいよね〜字が上手いって。
子供とか産まれたら何かと書くことも多くなるじゃない？
それが憂鬱なほど私の字へたっぴだもん」


「そうだな〜それ全部俺が書くことになんのか」


「ふふ、よろしくお願いしまーす」






ちょっと際どい会話だから何気にドキドキしてたんだけど
案外あっさりと当たり前のようにしてくれたから驚いた。

サラサラと私の名前を綺麗な文字で書いてくれて
その文字を眺めながら
いつかこの名字が"北山"になるのかなぁ…、なんて考えちゃって
顔が緩んじゃう。





「でーきた」


「ありがとー！
やっぱり凄い上手だよねぇ」


「会社で怪しまれね？
普段のAの字と全然違うし」


「うん、なんとか誤魔化してる。
でもきっと強火みつ担がいたら、これがみっくんの字だってバレるかもしれない」


「いや、さすがにそれはバレねぇだろ〜」


「分かんないよ？
ファンの子なめないでよ？」





私だったら分かるかもしれない。
字を見て、これは北山 宏光の文字だって。
(多分無理)




「私も字練習しようかな、
ボールペン字講座とか」


「別にいいっしょ、今のままで。
まぁどうしてもやりたいならやればいいけど」


「あ、俺なしじゃ生きていけなくするために
習わせないつもりでしょ？！」


「………………、」





ジトっ、て睨まれるから
負けじとヘラッて笑って見せる。




「僕は君なしで愛を知れない〜♪」





━━━Fin.

ご祝儀袋とか名前を書く場面での自分の文字
すごく嫌なんですよね〜。
こんな時みっくんがいてくれたらな…、って
毎度思うのでした。

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