HONEY LOVE ４

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「だって北山さん、部屋の前までしか送ってくれないって！」


「部屋の前？」


「そうです！
私は部屋の中まで送ってほしかった……、
っていうか、ここまで来たからにはお部屋に寄っていってほしかったのに」


「いやだってさすがにそれは
まだ付き合ってもないのに、部屋寄ってっていい？とは言えねぇし」


「………………、」









確かに。
言われてみれば北山さんが正論かも。
むしろ、付き合ってもないのに部屋に寄ってってほしいなんて
私の方が思考がぶっ飛びすぎてる。









「ふはっ、んだよそれ、
部屋に寄ってってほしかったの？」


「なっ、違っ！///」









途端に笑い出す北山さんに凄く恥ずかしくなって
否定をしてみるけど、もう誤魔化せないし。









「はぁ〜、やべ、ほんと面白え。
まじで期待裏切らないわ〜」


「もうほんとやだ、やめてください、もう…っ」









目に涙を浮かべるほど爆笑してる北山さんに
もう私は穴があったら入りたい状態。

それなのに彼は余裕たっぷりに私に近寄ってきて
赤面してる私の頬に急に触れ出すから。







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「じゃあ今日は部屋の中まで寄ってってもいい？」









こういうとこ狡い。








"とりあえず今後の話をしようか"って。

触れられてる指先が冷たくて気持ちいい。









「…………………はい。」









最初から最後まで私は
まるで北山さんの手のひらの上で転がされてるみたいにコロコロと
ドキドキさせられたり、驚かされたり
苦しくなったり、切なくなったり。


きっとこれからも転がされながらも
結局はそこに幸せを感じていくんだろうなぁって
ポーっとする頭で漠然と思っていた。









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━━━━ということがあったのが数年前の出来事。






「懐かしいねぇ〜」







あれから色々あって結局辞めた居酒屋。
そこに久しぶりにみっくんと二人で来ている。








「相変わらず美味いな、ここ」


「ね〜、私の代わりに可愛い子も入ってるし」


「だな、俺あの子と付き合ってた可能性もあったのかもな〜」


「ちょっと」








笑い方も、ちょっと意地悪なとこも変わってない。

変わったことは
"店員とお客さん"っていう関係から
"彼氏と彼女"っていう関係に変わったことくらい。

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