HONEY LOVE ４

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「生ひとつと、腹減ったから〜
ご飯と鉄板カルビひとつ。」


「はい、ご飯と鉄板カルビおひとつですね」


「あとだし巻きも食いたいな〜」


「だし巻き玉子おひとつ」







……………………………、






「……………ん？」

「ん？」









ビールとご飯とカルビとだし巻き玉子。

晩ご飯には絶好のメニューだけど
肝心のメニュー名が出てこなくて、思わず北山さんを凝視してしまった。

それに気付いた彼が可愛く首を傾げるから
可愛い〜！って感情と共に、戸惑う。








「あ、あれ……？わ、私の………、

「ぷっ、くく…、ははっ、ごめんごめん」








可愛い首を傾げる姿から急に
くしゃっと大きく口を開けて笑いだした。

私はもう、なんのことか分からない状態で。









「うそうそ、だし巻きはやめてAちゃんが釣った魚ひとつ。
あまりにも、私が釣った魚食べてってソワソワしてたからつい意地悪したくなっちゃって」


「な、そ、そんなソワソワしてないですっ」


「してたしてた、食べてほしそうにしてた」


「だ、だって………、
食べてほしかったですもん…」







事実をポロッと口から零してしまうと
一度目を見開いて、またくしゃっと笑顔を見せた。









「はは、なんだその可愛い発言は」


「え？」


「や、なんでもない。
それより、めっちゃくちゃ美味いんだろうな〜Aちゃんが釣った魚」


「やめてくださいっ、
そんなハードル上げないでください〜」


「もう腹ぺこぺこで期待してきたからな〜」


「やだ、先にカルビとご飯でお腹いっぱいにしてくださいっ」


「なんならカルビもやめとけばいい？」


「だから〜っ！」








ふはは、ってすごく上機嫌で
ひとりで来ているからか、私もこんなに自然と北山さんと話すのは初めてで
でも内心はまだ緊張してドキドキしてる。

きっと彼は知れば知るほど話せば話すほど
人を好きにさせる脳力を持ってると思う。

今こうやって話してみて、気づいてしまったこと。

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