キラハグ ２

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「え〜？俺のせい〜？」


「もうっ、またそんな調子いいこと言ってたら怒るよっ」


「へいへ〜い」









少し怒るようにそう言うと
緩〜く返事をして、私を塞いでいた手を退いてくれる。









「今日さ、すき焼き食いたい」


「あ、うん、わかった」


「うーし！これで今日も頑張れる！」









晩御飯のメニューごときで
ギュッて目をつぶって両手を上げてガッツポーズをするひろに大袈裟だなって思うけど
こういうとこ、単純にこっちまで嬉しくなっちゃうんだよね。









「じゃ、行ってくるわ。」


「うん、行ってらっしゃい」


「っと、その前にヒカリにチューしてから行こ〜」


「ふふ、起こさないようにね〜」









目玉焼きを作ろうと卵を取り出しながらそう言うと
なぜかじっ…、とこちらを見つめるように視線をよこした。









「Aにもしようか？」


「…………へ？」









ガシャっ…！と手にしていた卵がシンクの中へと落ちて割れた。









「行ってきますのチュー、してやっか？」


「はっ？！ば、ばかじゃないの？！？！///」


「んは、行ってきま〜す」









明らかに動揺している私に満足気に笑ってみせて
結局ヒカリにもチューをせずそのまま仕事場へと行ってしまった。









「なんなの、まじで……」









卵、割れちゃったじゃん。


昨日からひろの言葉と行動が全く読めない。

私ばっかりドキドキさせられて
からかわれて遊ばれてる疑惑も出てきたぞ。


落ちた卵を片付けながら
勝手にマイナス方向へと疑心暗鬼。









「……とりあえずすき焼き！
めっっちゃくちゃいいお肉買ってこよう！！」









いくら考えたってきっと答えは出るわけもないし
とりあえず私も今日のすき焼きを楽しみに
新しく出した卵で目玉焼きを作ってご飯を食べて
丁度よく起きてくれたヒカリとじゃれ合いながらまったりと朝の時間を過ごした。

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