キラハグ ２

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「ひ、ひろ……？」








ガシャン、と渡すはずだった缶ビールが床に落ちてコロコロと転がっていく。


状況が分からずただされるがまま胸の中。









「ね…っ、どうしたの……？」









ソファに座ったままのひろと
立ったまま抱きしめられてる私。

その差がある分、胸元にひろの顔を感じるから
このうるさすぎる心臓の音が聞こえてしまいそうで離れようと力を入れるのに、









「ちょっ、ひろってばっ」









強く抱きしめられてて、全然離してくれない。

なんなら何も言わず無言だし顔も見えないし
私一人がじたばたともがいてる。









「………すげぇ心臓バクバクいってる」


「えっ？！」









胸元からくぐもった声が聞こえてきて、









「そんなに俺が好き？」









って、口の端をあげて意地悪に笑いながら顔を上げたひろと目が合った。









「はいっ？！」


「そうかそうか、俺が好きか〜」


「違うからっ、バカじゃないの？！///」


「照れんな、照れんな」


「照れてないっ！！」









勢いでひろから離れると
キッ( *｀ω´)と睨んでやった。




なんっなの、まじで。

人の気も知らないで、酔った勢いなのかなんなのか知らないけど
勝手に抱きしめといてドキドキさせられて……。









「もう寝るっ！」


「え〜？もう一本飲もうぜ〜」


「一人でどうぞ！
ていうかひろの分落ちちゃったし」


「動揺して？」


「ち、違うっ！！」









にひひ、って楽しそうに落ちたビールを拾うと
せっかく離れた腕をまた掴まれて
またあの逃れられない視線で捕えられる。









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「でも俺も、Aに惹かれてるよ」









「……………え？」









急に真面目になったこの緩急。

せっかく治まり始めていた心臓が
さっきよりも忙しく動き出す。

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