キラハグ ２

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「とりあえず応急処置はしたけど
こまめにガーゼ取り替えたりした方がいいかもしれないから」








家に着くと速攻で綺麗に消毒してガーゼをつけて応急処置をしてくれた。

私だったらこんなの絆創膏ペペッと貼って終わるのに
この丁寧さとかがさすがすぎて……。









「すみません、何から何まで……」


「そんな！それはこっちのセリフよ……」









隣に寝かしているヒカリはいつの間にか眠ってて
天使のような寝顔を私たちの前に晒している。

その言葉の意味から察するに
ヒカリの面倒を私が見てるってことは知っているんだろうな。









「自己紹介遅れてしまってごめんなさい。
宏光の………元妻の咲彩です。」









改まって頭を下げる咲彩さんに
私も慌てて正座に座り直して頭を下げた。









「あっ、私こそ遅れてしまって！
先生のアシスタントをやらせてもらってます、栗谷Aっていいます。
今はその…、ヒカリの面倒も見させてもらってます。
私なんかが大事な娘さんを……、ごめんなさい。」


「そんなっ！本当にあなたには感謝してるっ」









頭を下げる私に慌てて頭をあげるように促してくれて
物腰柔らかくて優しくて、とてもいい人そうにしか見えない。








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「あの……、前に公園でもお見かけしたんですけど…いらっしゃいましたよね？」












あの時も追いかけたけど見失ってしまって
でも確かに咲彩さんだったことは間違いないと思う。









「……ええ、あの時も逃げてしまってごめんなさい。
何度もね、ヒカリの様子を見に近くまで来てるの。」


「え？」


「でも……、何度来ても直接会う勇気なんてなくて。
それなのにヒカリが気になっていてもたってもいられなくて…」









少し泣きそうに震えてる声。

寝ているヒカリに向けてる視線が
私には到底生み出せない、本物の母親の目をしてる。

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