恋愛注意報 ２

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「まぁでもいきなりキスとかされてもね
長年の友達関係ってのがある以上、戸惑いが先に来ちゃうのも分かるけどね」


「う………ん………」






ずっと一緒にいた。

小さい頃から気付けばずっと隣にいて
楽しいことや嬉しいこと、悲しいことも全部共にしてきた。

だからといって幼馴染み以上の関係を求めたことはなかったし
これからも変わらずバカなことで笑い合える関係でいられると思ってたのに……。






「俺の統計上では、幼馴染みから恋人に発展するっていうのはあんまり上手くいかないと思うな」


「えっ、そうなんですか？」


「なーんて、ただの俺に都合のいい統計」


「………、」





真面目に相談に乗ってくれてたから
急な茶目っ気ぶりにジトッてしちゃうと、あははって笑ってる。





「でもさ、結局答えを決めるのはAなんだから
さっき言ったことも含めて、ちゃんと玉森くんに恋愛感情を持てるのかっていうとこを考えた方がいいと思う」


「………うん、」


「離れたくないから、とか傷付けたくないから、とか
そういう理由で付き合うことにしても、あとできっとお互いが辛くなると思うよ」






店内のオシャレなBGMと先輩の言葉を聞きながら俯くと
自分の手のひらが目に入って、必然的に思い出される裕太から貰った指輪。

裕太はどんな気持ちであれを買ってくれたのか
どんな気持ちで私に渡してくれたのか、

考えれば考えるほど、答えが遠ざかっていく気すらした。







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━━━━


「そろそろ出ようか」





それから料理を堪能して、他愛もないことで笑いあって
気付けばもういい時間になっていたみたい。

満席に近かった周りのお客さんも
数人ほどにまで減っていた。






「ですね、楽しくてすっかり話し込んじゃってました」


「もうちょっと話したいけど、うち来る？」


「…………え、」






そう言われてドキッとした。

先輩の家に行くのは初めてじゃないけど
いまいち慣れないのよね、家に誘われるって。






「あ、やらしい意味じゃなくてね」


「わ、わかってますっ」


「いや、やっぱりやらしい意味かも」


「え？！」






驚く私を見てまた笑ってるから
いつものイケメンジョークか、と膨れてみせた。

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