恋愛注意報 ２

９３ ページ44

.


「な…………んでっ、」


「いや、玉森くんのことだから
告白とかの段階すっ飛ばしてプロポーズしそうだなって思ってたから」


「いや、うんまぁ……、
一応その前に告白っぽいことはされてたんですけど……」


「あ、そうだったんだ」






やば、言っちゃった。

結局こうして話しちゃうんだもん……。

ここのおいしいお酒のせいってことにして
グラスに残ってたお酒を一気に飲み干した。






「……裕太、北海道に行っちゃうんです」


「あら、それは急だね。仕事？」


「はい。それでプロポーズされたんですけど…
正直よく分からなくて。
単純に裕太とは離れたくないって思うけど
それが愛情なのかって聞かれたら上手く答えられないというか……」


「そうだよね、ずっと一緒にいたもんね」


「そうなんです………。」





私を口説いてくる先輩に他の男のことを相談するなんて
ほんと無神経だな、私。

それでも先輩は
うーん、って頭を悩ませてくれてる。






「玉森くんとさ、キスとかそれ以上したいって思う？」


「へ？！」


「好きって気持ちは色んな種類があると思うけど
触れたい、とか触れられたい、とかはさ
愛情がないと無理だと思うんだよね、特に女の子は」


「触れたい…触れられたい……」


「その場のノリとかならいけるかもしれないけど
冷静に考えて、その人に抱かれたいか。って重要だと思うな」






…………裕太に抱かれる……………、



裕太に抱かれる…………？！？！






「えっ、えっ、か、考えられないかもっ」


「じゃあ俺は？
俺はAを見て抱きたいって思うし
更に言うなら大事に抱きたいって思う」


「だ、大事に抱きたい………っ、」






先輩に大事に抱かれるとか
とんだ幸せなことなんじゃないか………、



じゅるる…………、


じゃなくて！！

そういうのじゃなくて！！！







「あのっ、でもそういうのって、」


「玉森くんとはキスとかもしてない？」


「キ………スは、しました………」


「どうだった？
もっと触れたい、もっともっとって思った？」


「……………、」







嫌ではなかった。

軽くしてる感じだったけど裕太の緊張も伝わってきたし。


でも、その先ももっともっとって
触れられたいって感情はなかった気がする……。

９４→←９２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す