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「ていうか、私全然釣れなくない?!」


「ね、なんでだろ?」


「裕太ばっかり釣れてるじゃん…」







釣りに興味がない、って気持ちが魚にも伝わってるのか
全然私の竿にヒットがない。

ぶうたれる私に、裕太は一旦自分の竿を置くと
隣から一緒に私の竿を持ち始めた。







「えっ」


「持ち方が悪いのかな?
もうちょっと下に垂らすように持ってみて?」


「う、うん……」







急な密着感にドキドキしてると
ふと至近距離で裕太と目が合った。

その途端に裕太も我に返ったのか
どんどんと耳が赤くなってくのが見える。








「……自分でしといて照れないでよ。」


「別に照れてないしっ」


「耳赤いよ?」


「暑いからだもん」


「ふふ、そう?」






そんな暑くもないはずなんだけど
誤魔化してる裕太が可愛くて、胸がキュッとなる。







「あっ、ほら!かかったよ!!」


「えっ、うそっ、えっ、どうしたら、」


「そのままリール巻き上げて、引いてっ!」


「きゃー!引っ張られてる!!」


「ちょっ、落ち着いて、貸してっ!」







このタイミングで魚がかかったらしく、私はパニック。

思ったよりも強い力で引っ張られるから
隣の裕太とてんやわんや。







「すげ、おっきい!」


「ほんとだ、やばっ」


「触ってみる?」


「やだっ、やめて、気持ち悪いっ」


「はぁ?!」







釣れた魚を私の目の前に寄越してくるから
思わず身を引いた。

魚を食べるのは好きだけど
こんなに大きな生魚を触る勇気はない。

そんな私の態度に呆れたようにバケツに魚を戻すと
ヘタレ〜、って笑ってバカにしてくる。







「だって何か目とか怖くない?」


「そう?クリクリして可愛いじゃん」


「そうかな…?」







いくら見ても可愛いと思えない私がおかしいのか。

そんなやり取りをしながら釣りを続けて
気付いたらあっという間にもう、日が沈みかけていた。

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はちみつみゆ(プロフ) - このみさん» ごめんなさい、裕太を傷付けてしまって…。裕太も幸せになれるようになるべく書いていきますねぇ(;_;) (2021年5月29日 19時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
このみ - 裕太 (2021年5月29日 10時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - ちょうすけさん» ですよね、ごめんなさい(;_;)笑 私ですらも内容全く忘れてて読み直しました!笑 あんまり自分の話を読み返すことってないんですけど、すっかり昔のことすぎて( ̄▽ ̄;)あと少しで移行になってしまうのでまたよろしかったら遊びに来てください♪ (2021年5月28日 22時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
ちょうすけ(プロフ) - お話読み返してました(笑) 前の更新からこんなに経ってたとは。。続き楽しみにしてます! (2021年5月27日 22時) (レス) id: daa492e006 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - めめめさん» せっかく見つけてくださったのにお返事めちゃくちゃ遅れてしまってごめんなさい!泣 もううさすがにお話忘れちゃいましたよね( ̄▽ ̄;)出来れば完結に向けてまた更新していこうと思ってるのでまた遊びに来て下されば嬉しいです♪ (2021年5月27日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年5月7日 18時

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