恋愛注意報 ２

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「昨日、抜け出したね？」







出勤するなりさっちゃんにそう突っ込まれて
縋る思いで泣きつきながら昨日のことを話した。

もうすでに、この経験値じゃ一人で抱えきれない。








「あれまぁ……、」


「私さ、ほんとどうしたらいいか分かんないんだけど…。」






んー、って開店準備をしながら頭を悩ませてくれる。(仕事して)







「そもそも何でそんなに悩むわけ？」


「え？」






何で、って………
あれ？確かになにに悩んでるんだろ…？







「付き合う気がないならキッパリ断ればいいだけの話だし
付き合いたいなら年の差なんて関係なく付き合いたくなるんじゃない？」


「んー……、」







その決定的な自分の気持ちが分からないっていうのがまず問題なのかもしれない。







「その自分の気持ちもよく分かんないの。
年の差を気にしすぎなのか、純粋に北山くんのことを考えられないし…」


「うーん」


「もしも北山くんと付き合ったとしてもさ？
五年くらい付き合って、やっぱり若い子がいいとか言われて捨てられたらどうする？
私もうその頃は３５だよ？またそこから恋して、付き合って結婚して……ってなるのがしんどい」


「つまり、北山くんのことが信じられないと？」


「………北山くんのことっていうより、
自分のことが信じられないかな。」







北山くんがそんな簡単に私を捨てるような酷い人じゃないことくらい分かってる。

だけど、優しいからこそ
私と将来別れたくなっても、崖っぷちな私を捨てることも出来ず
無理して付き合わせるのが辛い。

結局私は、自分に自信がないんだ。









「……まぁよく分かんないけど
そう考えてるってことは、少なからず北山くんに惹かれてるんだよね？」


「・・・」






そう……なのかな。

改めて言葉にしてそう言われると
”うん”とも、”いいえ”とも言えない。








「じゃあいっそのこと消去法でいったら？」


「え？」


「藤ヶ谷先輩、玉森くん、北山くん。
誰が好きなのか、誰と一緒になるのかいいか分かんないなら
一人ずつ消していくのが手っ取り早いよ」







ナイスアイデア、なんて楽しそうにしてるけど
三人に対して失礼すぎる気がしてしまう私は
やっぱりこういう複雑な恋愛には向いてないんだな、って痛感させられた。

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