恋愛注意報 ２

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「………そんなの分かってるよ。
裕太と付き合ってきた女の子たち数々と見てきてるんだから」


「え、あの子たちは別に本気で幸せにしようとしてたわけじゃ、」


「待て待て、その言葉はだめ」


「んはは、」








そんな過去の女の子が悲しむこと言うんじゃない！とオコになると
ゆるーく笑って見せた。



でもさ？裕太はこう言ってるけど
何人か見てきた裕太の彼女たちは幸せそうだった。

ちゃんと付き合ってるんだなー、なんて思ってたけど
いつから裕太は私のこと好きだったんだろ…。

でも正直今はそんなことより・・、







「……とりあえずちょっと寝たいから
裕太も自分の部屋戻って」


「やだ」


「早く、本気で」







駄々っ子裕太を一喝するようにそう言うと
少し唇を尖らせて、渋々私から体を離した。







「じゃあさ次の休み、どっか行こうよ」


「うん、いいよ」


「よーし、じゃあどこ連れてくか考えとく」


「ふふ、楽しみにしとく〜」








じゃあね、ってウキウキと去ろうとした裕太が


あっ、


って、何かを思い出したようにおもむろに振り返ると
部屋の入口に置いてた消臭スプレーを私に向かって振りかけた。








「っぷはっ、なにすんのっ？！」


「藤ヶ谷先輩を消毒」


「は？！」


「その甘い匂い、俺嫌いなの」


「・・・」







だからって人に向かっていきなり消臭スプレー吹きかけるか、普通。







「じゃ、ゆっくりおやすみ」


「はいはい、裕太は仕事いってらっしゃーい」








パタン、と扉がしまってようやく静かになった部屋。

今日は午後からだから少しは休めるかなって
そのままベットに横になった。






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「……なんか、裕太の匂いがする」








かぶった布団をくんくんすると
消臭スプレーのせいで藤ヶ谷先輩の甘い香りは消えちゃって
さっきまでベットにいた裕太の香りでいっぱい。

先輩とキスまでしちゃって一緒に寝たのに
今度は裕太の香りに包まれて、
なんだろ、この複雑な気持ちは。








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「……寝よ寝よ…、」








複雑な気持ちを考えないように部屋にポツリと呟いて
目を閉じると、一気に夢の中へと引きずり込まれた。

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