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64 北山side ページ15

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「……美味いっすね、唐揚げ」


「ね、ここの店おいしいよね」


「・・・」


「・・・」







Aもいなくなったし
こいつと二人にされても何話したらいいんだよ。

会話も続かず
周りが賑やかな中、黙々と二人で料理を食べていた。








「……玉森さん、彼女いるんすか?」


「え?いないよ〜」






沈黙に耐えきれずに在り来りな質問をすると
もうお腹いっぱいなのかお腹をさすりながら箸を置いた。






「そっか、いそうなのに」


「好きな子はいるけど」


「………へぇ、」







”その好きな子ってAちゃんですよね?”

っていう言葉が喉まで出かかったけど
グッと堪えて抑、

「その好きな子はAなんだけどね」






抑えたはずの言葉の返事がかえってくるから
思わず勢いよく隣の玉森さんを凝視してしまう。







「ま、気付いてるよね?」


「………まぁ、」


「北山くんもAのこと好きなんでしょ?」


「え?!」


「バレバレだよーん」







んはは、って笑顔を覗かせる玉森さんは
耳も赤くなってるしちょっと酔ってるっぽい。

その様子に俺もなんだか気が抜けてきて
箸を置いて後ろの壁に寄りかかった。







「でも俺まだ学生だし
全然Aちゃんにそういう風に見てもらえないっつーか」


「そう?」


「そうっすよ、ガキ扱いされて終わり。
だから対等でいられる玉森さんが羨ましいし」








いくらたっても縮まることのない年齢差。

そんなん俺は気にしないけど
少なくともAちゃんはかなりそこを気にしてる。







「俺は北山くんが羨ましいな〜」


「え?」


「幼馴染みとして今までずっと来たから
その関係を今更壊すのって相当厳しいし
男としてなんて全く見てもらえないからね」






笑ってそう言ってるけど
どこか苦しそうで切ない横顔。

いつも対等にAちゃんと話してて
お似合いだしいつも一緒にいるし、玉森さんになんて適わねぇとか思ってたけど
彼は彼なりに色々あんだなぁ、って。

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はちみつみゆ(プロフ) - このみさん» ごめんなさい、裕太を傷付けてしまって…。裕太も幸せになれるようになるべく書いていきますねぇ(;_;) (2021年5月29日 19時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
このみ - 裕太 (2021年5月29日 10時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - ちょうすけさん» ですよね、ごめんなさい(;_;)笑 私ですらも内容全く忘れてて読み直しました!笑 あんまり自分の話を読み返すことってないんですけど、すっかり昔のことすぎて( ̄▽ ̄;)あと少しで移行になってしまうのでまたよろしかったら遊びに来てください♪ (2021年5月28日 22時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
ちょうすけ(プロフ) - お話読み返してました(笑) 前の更新からこんなに経ってたとは。。続き楽しみにしてます! (2021年5月27日 22時) (レス) id: daa492e006 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - めめめさん» せっかく見つけてくださったのにお返事めちゃくちゃ遅れてしまってごめんなさい!泣 もううさすがにお話忘れちゃいましたよね( ̄▽ ̄;)出来れば完結に向けてまた更新していこうと思ってるのでまた遊びに来て下されば嬉しいです♪ (2021年5月27日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年5月7日 18時

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