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北山くんに引っ張られたままホテルのロビーまで着くと、足を止め私を振り返った。
「急にどうしたの?」
「ごめんつい…、」
「つい、って……」
「まだ玉森さんといたかった?」
くぅーんυ´• ﻌ •`υ、って聞こえてきそうなそのお顔。
申し訳なさそうなその表情に
私も強くは言えないし、逆になんかもう愛でたくなるくらいな勢いだし。
「裕太といたかったとかじゃないけど
いきなりだしビックリするじゃない…」
「うん、だよな、ごめん」
「うん……」
「うん……」
・・・。
謎の沈黙。
ホテルの静かな音楽と
周りにいる宿泊客の控えめな話し声。
握ってたままだった手を少しクイッと引っ張ると
ちょっといい?って、ロビーの奥の方のソファへと促された。
そこへ二人で座ると
少しだけ周りから遮断されてる空間で
一気に空気がまた変わった気がした。
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「……あ、上着貸そっか?」
「え?ううん、大丈夫!
もうホテルの中だし寒くないから」
「そ?」
「うん、着てて着てて、
その上着北山くんに似合ってるから」
「あんがと」
「い、いえいえ……」
”似合ってる”って何言ってんの、私。
なんの感想を述べてんのよ。
そんな意味不明なことまで口走っちゃうくらい
なぜか凄くテンパってる。
だって、
”俺のだから。”
だなんて、さっきの意味深すぎる言葉。
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「あのさ、」
「はいっ?!」
声が裏返る。
もう〜〜落ち着け、自分!!
「玉森さんってほんとに幼馴染みってだけ?」
「へ?裕太?」
「そう、やけに仲良いよな〜って思って」
「うん…ただの幼馴染みだけど?」
「ふぅ〜ん…」
なぜにさっきからそこまで裕太のことを気にするのか。
えっ、まさか北山くんってそっちなの?
まさかのまさか、裕太のこと………、って
んなわけないか。落ち着け落ち着け。
「んじゃあいつは?この前朝に一緒だった男」
「あ〜、藤ヶ谷先輩?」
「そうそう、高校の先輩って聞いたけど
先輩ってだけで朝まで部屋で過ごすわけ?」
「だからあれは酔っ払ってただけで…」
「何もなかったと?」
「う、う……ん………?」
何もなかった、とも言いきれないような
触られたかも、というような…?
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はちみつみゆ(プロフ) - かおたまさん» コメントありがとうございます!玉担さんなのですね、どうしよう…裕太をもう振ってしまった…あわわ。でも先輩にも北山くんにもキュンキュンしてもらえて良かったです!なるほど、それぞれの結末ですね〜私もそうしたいのですが、余力があれば書いてみますね! (2021年6月2日 22時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
かおたま(プロフ) - 北山くんの主人公ちゃんのために早く大人になりたいってとこにキュンキュンしちゃいますが玉担なもんで裕太も捨てがたいからのでも藤ヶ谷先輩にも甘〜く愛されたいし〜ってなって選べません(笑)それぞれのルートの結末が見たいです! (2021年5月30日 11時) (レス) id: ca2b33aabb (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - あきさん» あきさん!参戦したのですね?!もうコメから興奮が伝わってきて私までギャーってなってます!笑 やられました?北山さんに抱かれました?笑 ほんと色気増してます!留まることのない色気に好きが増して時々怖くなりません?!(爆)移行先でもよろしくお願いします♪ (2019年5月7日 22時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ちょうすけさん» やっぱり北山くんですよねー!裕太も一応気持ちを伝えたのであとは藤ヶ谷先輩これから頑張ってみます^^*上手く書けるか不安なのですが移行先でもよろしければ遊びに来てくださいね。涙 少しずつ気持ちを変化させながら更新していきたいと思います♪ (2019年5月7日 22時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - そしてこの流れで(笑)やはりみっくんに1票です!笑本当に、年々色気が増していっている気がする(//∇//) (2019年5月7日 0時) (レス) id: 8dc069f5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年2月21日 20時