恋愛注意報

３１ ページ31

.





「新メニュー？
こんな短時間で新メニュー考案なんてすんの？」


「確かにね〜、こんな短時間じゃなんも考えらんないよね」


「見てほら、抹茶とオレンジ混ぜたら泥みたいなった」


「あは、やだ汚ったない〜」


「Aちゃんもなんか作れよ〜、
俺ばっか作ってんじゃん」


「いやいや、そんな泥みたいなの作ってドヤらないで」







お昼を食べてからの、新メニュー考案という時間。

おっきいホールに集まって
各店舗が各々に、用意されてるドリンクやら食材やらで考えていた。







「ちょっとAちゃん好きなの混ぜてみようぜ」


「えー？私の好きなの？」


「そう、何好きなんだっけ？いちご？」


「んー…、ラーメン」


「ここにあるので答えろよっ」


「あはは、ごめんごめん」







イチゴとマンゴーでいっか、ってまた適当に混ぜ始めて
汚ったない色になるから、また笑っちゃって。

周りがなかなか真剣に考えてるだけに
悪目立ちしちゃって、軽く注意されたり。



だけど、









「えっ、これ凄いおいしいんだけどっ！」


「だろ？
これ一緒にしたら絶対うまいと思ってたんだよな〜」







結局最後にはめちゃくちゃおいしいメニューを考えてくれて
上の人にめちゃくちゃ褒められた。

ドヤってる割には、いざ褒められると凄く照れくさそうにするし
そういうとこ、可愛いなって思っちゃう。








.









.









「夕飯なにかな〜」


「結構豪華らしいよ、
研修という名の各店舗の交流会みたいなものだからね」


「ふーん、交流ねぇ」








今日の研修も終わって、晩ご飯までの自由時間。

北山くんとホテルをプラプラしながら時間潰し。









「あんま離れんな？俺の隣」


「え？」


「変な男と交流されても困っから」


「………な、なにそれ、」


「ほら、さっきみたいに二階堂みたいな男に絡まれたら困んだろ？」


「あれはあの子が若くて可愛い子だったから、

「Aも可愛いから危険」







………ん？

思わぬキュン台詞が聞こえて隣の北山くんを見ると目が合って
なんだよ、って目を逸らされて早歩きで少し前を歩いた。

３２→←３０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す