恋愛注意報

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「あ。」


「おかえり、不良娘。」







タクシーにはもう先輩がお金を渡していたらしく
料金を払うどころか、お釣りをもらって降りると

家の前に裕太が立ってて出迎えられた。








「あれ、どうしたの？仕事は？」


「仕事どころじゃないよ、何してんの外泊なんて」


「ご、ごめん…、
てかそれよりほんとに仕事大丈夫なの？」


「だから午前有給取ったから大丈夫！」


「え？わざわざ有給取って待ってたの？」


「あ……、いや…、」








会社員にとっては貴重であろう有給を取ってまで私を待ってるだなんて……、









「父親かっ」


「は？」


「あはは、ごめんごめん。心配かけちゃったね。
親にも誤魔化してくれてありがとう。
でも先輩とは何もなかったし、ちょっと飲み過ぎちゃってたの。」


「そう、なの…？」


「うん、裕太がいるのにそんな軽率なことしないよ」


「え？」







ここまで親みたいに心配してくれる
幼馴染みがいるんだもん。

ちゃんとそうなっちゃう時は
一言報告してからじゃないとな、って今裕太の顔を見て思った。








「え、待って、それってどういう、

「さて、私も仕事行く支度しないと！
化粧したまま寝ちゃってたからお肌ボロボロ〜」








この歳になってからの化粧したまま寝ちゃうって結構な痛手。

お肌をスリスリしながら
早くお風呂に入りたい、と家に入ろうとすると








「お、俺がいるから他の人とは外泊しないの？！」


「え？」








声を大きく呼び止められた。

振り向くと少し耳を赤くした裕太がいて。







ん〜…、
裕太がいるから外泊しない、というか
ここまで心配されると外泊しずらい、というか。







「………まぁ、そんなとこかな」


「えっ、ま、まじで、」


「うん、じゃあありがとね！
仕事頑張って、行ってらっしゃい」








説明も面倒くさくなって早めに切り上げると
なぜだか小さくガッツポーズをしてる裕太が見えた。

不思議に思ったけど、とりあえず早くお風呂に入りたい欲が勝って
そのまま家の中へと入って、眠い目を擦りながら支度を始めた。

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