恋愛注意報

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「ね、一緒に食べよ」


「うん、おばさんにお皿とナイフ借りてくる」


「ありがとう〜」






またしても、ダダダッと階段を駆け下りていく裕太。

裕太が裕太じゃないみたい。

いつもだったらこんな機敏に動いてくれないし
なんならナイフ持ってきて〜、ケーキ切って〜って甘えがちなのに。







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「お待たせ、ナイフとお皿とフォーク」


「ねぇ裕太、なんかあった？」


「へ？」


「なんかおかしくない？今日」


「別に？
A誕生日だから優しくしとこうかと思って」


「そう…なの？」


「頼れる男、玉森 裕太だから」







ドヤっ(｀・ω・´)て効果音が聞こえてきそうなほどのドヤり。

結局それが可愛くて笑っちゃうと
なんで笑うわけ？！ってむっとするのも可愛いんだけど。








「おいしそうだね〜いろんなフルーツ乗ってる」


「でしょ？
俺イチゴ多いとこにする、……じゃなかった。
イチゴ多いとこAにあげるよ」


「いや、別にいいんだよ裕太食べなよ」


「いいーの！」







やけに無理してる感があって
違和感が半端ない。








「はい、あーん」


「えっ？」


「口開けて、あーん」


「あ、あーん……、(もぐっ)」







やけに楽しそうにあーんをしてくる裕太に
その差し出されたイチゴつきひと口を食べると
満足げに顔をトロンとさせた。








「俺にもちょーだい」


「ふふ、結局甘えてる〜」


「いいんだよ〜」






あーん、って口を開けてる姿は
ほんと昔から可愛くて変わってないなぁ。

お返しにイチゴたっぷりなとこを裕太にもあげると
んっまー！っていつものタレ目なとろける笑顔を見せた。







「おいしいねっ」


「ね、裕太のケーキチョイス大正解っ」


「でしょ〜？
……って、A口にクリームついてる」


「え？どこ？」







慌てて指で取ろうとすると
先に触れた裕太の指先が、口の端のクリームを拭った。

一瞬戸惑うくらいの距離感に目を丸くすると、









「おいしそう、Aの唇も。」








拭った指先はそのままに
下唇を優しくなぞられて、思わず反射的に背筋が伸びた。








「は、……はっ、？！」




「食べたいなー、ここも。」









ぷるん、と弾かれて離れた指先。

そして、目の前すれすれには見慣れた裕太の顔があった。

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