欲しい愛と、知らない恋 ３

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「ねぇ、このチョココロネおいしそ〜！」


「うわ、これ目玉焼き乗ってる！」


「わ！
これひろの大好きなお肉入ってるよ、パンに！」


「まじか！うまそう！」







私の嗅覚は大正解で
その場所はとってもおいしそうなパンがズラリと並んでいて
二人で店内、大騒ぎ。


それを見られていたのか
レジのお姉さんに、

「仲良しなカップルですね」

ってなんの悪気もなく言われて
お金を払いながらひろは、否定をすることもなく笑ってた。








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「なぁ、天気もいいし外で食ってかね？」


「あ、いいね！
そっちに河原あったからそこにしよっ」


「まじか、河原とか超いいじゃん」


「ね、この辺のんびりしてるしおいしいパン屋さんもあるしいいとこだよね」







うん。

美味しい食べ物と、いい環境が揃ってるんだから
きっと私の未来は明るい。

自分にそう言い聞かせながら
パン屋さんのおっきな袋を揺らし
二人で肩を並べて、河原への道沿いを歩いていた。









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「ん〜〜〜っ！！おいひいっ！！」


「んっま！！」







いい感じの河原沿いの原っぱに二人で腰をおろすと
早速まだほんのり温かいパンを二人で頬張った。







「ねぇ、一口ちょうだいそれ」


「おう、俺もそれちょっと食いたい」


「うん、いいよ！
めちゃくちゃおいしいからこれっ」







あーん、ってお互いのパンを食べさせあって
ひろはチョココロネのチョコが口についちゃって。

それに笑い合いながら
おなかいっぱいになるまで二人でパンを頬張った。







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「やべぇ、この肉パン超うまかった」


「ね、ボリューム凄いことになってるけどね」


「なんか俺らさ、食ってばっかだよな」


「ふふ、確かに！
いつも二人で、やっば！とか、うっま！とか
語彙力のない感想で食べまくってるね」


「おいおい、語彙力ないって失礼な」


「ほら、でもひろはおいしそうに食べるから
一緒に食べてるこっちまで、何倍もおいしく感じちゃうからさ」


「それは俺もだし。
Aがめちゃくちゃうまそうに食うから
俺まで何倍もうまく感じてたよ」








お互いにおいしいものを食べるのが好きで
毎日笑って食べてた毎日を思い出してるのは
きっと私だけじゃないはず。

原っぱでゆったりした時間を過ごしながら
そんなことを思っていた。

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