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「つーかあのさ、ちょっといい?」
「……ん?───っ、」
変わらない食卓で
少し空気を変えたその切り出したひろの声に途端にドキッとして
口に入れてた唐揚げを思わず一気に飲み込んでしまった。
「わ、おまっ、大丈夫か?!」
「ご、ごめんっ、唐揚げ丸飲みしちゃったっ」
「ふは、何してんだよお前は」
咳き込んだ私に
大丈夫か?って水を持って隣に来てくれたひろに背中をさすられて
顔を上げると、至近距離で視線がぶつかった。
どきどきしてるこの気持ちを悟られないように
また視線を下へと逸らす。
「……あ、ごめんね。
ありがとう、大丈夫っ」
「ほんとに大丈夫…?」
「……ん?なにが──────?!」
眉を下げて切なげな表情を浮かべたあと
その顔を隠すように、勢いよく私を胸の中に閉じ込めた。
カシャン……、と
反動で手にしていたコップが床に転がり
そのコップを私はただ抱きしめられながら
じっと見つめていた。
.
「……もう、ペットやめようか」
「……え?」
小さく呟いたその声は
耳元ではっきりと聞こえたのに
その言葉を理解するのに時間がかかった。
「もう俺、Aをペットして置いておくこと出来ないかもしんない…」
転がったコップから少しだけ残ってた水が
カーペットに染み込んでいく。
その水のように私の目からも反射的に涙が零れそうで
ギュッと強く唇をかみ締めた。
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「……彩月さんのことがあるから?」
「え?」
私のその言葉に抱きしめてる力を緩めて
胸の中から離そうとしたから
この泣きそうな顔を見られたくなくて
今度は私が強くひろを抱きしめた。
「そうだよね、彩月さんに好きって言われたんだから私がいたら邪魔だよね」
「ちがっ──、
「分かってるから!」
彩月さんへの気持ちを否定なんてしなくていい。
もう分かってるもん。
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「……私も、もうひろのペットやめたい…」
ペットをやめたいわけじゃない。
そばにいたい。隣にいたい。
私はペットをやめてひろと離れたいわけじゃなくて
ペット以上の関係になりたい。
でも今の私はまるでほんとのペットみたいに
言葉を伝えることが出来なかった。
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はちみつ(プロフ) - いちご大福さん» またコメント見落としてました…ごめんなさい。涙 いちご大福食べる度にきっといちご大福さんを思い出します^^*笑。また恋愛注意報の方も更新最近がんばり始めたのでよろしかったら遊びに来てくだされば嬉しいです♪お待ちしてます(^ω^) (2019年5月9日 15時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ちぇりさん» コメント完全に見落としてましたぁ!涙 また色々と新作も出してます!また遊びに来てくださいね(´;ω;`)妄想開花でお顔ゆるゆるなんて想像したら可愛すぎたんですけど。笑 是非また恋愛注意報の方で待ってマース! (2019年5月9日 15時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福(プロフ) - はちみつさん» 全然大丈夫です(o^^o)あ!そーなんですか!私は一昨日食べましたよ!笑(謎の偶然)ハラハラされてるんですね笑全然大丈夫ですよ笑ちゃんと読んでます(^-^)早速新しい作品読んでますよ〜笑 (2019年2月26日 23時) (レス) id: 57e1aef37f (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり(プロフ) - はちみつさん» 全然大丈夫ですよ(^^) 妄想開花でお顔がゆるゆるでございます笑笑 新作、きちんと読んでますよ!完結したあとか、もしかしたら途中でまたコメント欄に出てくるかもです笑笑 (2019年2月25日 23時) (レス) id: 778e3b2267 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - yammyさん» そうですよね、せっかく恋人同士になれたのでもっとイチャイチャすべきですよねぇ(´;ω;`)にゃんにゃんプレイ書きたかったんですけど(爆)機会があったらいつか書けたらいいなって思ってます♪新作も出しましたので良かったら遊びに来てください♪ (2019年2月25日 12時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年1月5日 14時