唇で語れたら。２

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「冷やし中華〜♪」






夜が明けて、ひろに会える期待感に溢れると
昨日感じた罪悪感も消えて
はやく逢いたいって気持ちでいっぱいになる。









「こんにちは〜」








冷やし中華の材料と、お菓子が入った袋を手にルンルンと扉を開けると








「おっす〜」








昨日と変わらない姿で出迎えてくれた。







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「さ、入って入って〜」








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昨日と・・・、
変わらない・・・？









「ねぇ、ひろなんか顔赤くない？」








いつもよりも蒸気してる頬。

昨日の今日で日焼けして赤くなった、ってわけでもなさそうだし
少し目もトロンとして、潤んでる。

それがすんっっごく色っぽ……、

じゃなくて！









「もしかして熱あるんじゃない？」







荷物を持ってる手とは反対の手で
その額に触れようとすると
するりとかわされて、背を向けた。








「大丈夫大丈夫。熱なんてない」


「うそ？！だったら触らせてよっ」


「やだよ、えっち」


「え、えっち…？！」


「ほら、荷物貸して。」






重いでしょ、って振り返って荷物を持ってくれようとしたその手のひらを握りしめた。









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「……熱いじゃん。」








何度も触れてる体温の倍くらい熱いその熱に
荷物は渡さず、そのまま手を引っ張って奥の部屋へと引っ張った。







「ちょっ、なにすんだよ」


「絶対熱あるよ！熱はかってみて？！」


「だから大丈、

「だめっ！！！」









こんなに熱くて大丈夫なわけない。

お節介魂に火がついて
握りしめた手に力を込めて、強めにそう言うと








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「……わかったよ」









観念したように私の手を握り
反対の手で荷物を持ってくれて、部屋へと足を進めた。

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