唇で語れたら。２

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ギシッ……、っと二人の体重分ベッドが沈めば
北山さんの香りで包まれる。









「あの…っ、」


「ん？」


「ベッド濡れちゃいますよ…？」







傘もささずに結構外にいたもんだから
服を絞ったら水が出てくる勢いで濡れてると思う。

この状態でベッドに横になるっていうのが
主婦として気になっちゃうところ。







「え？キスだけでもうそんな濡れてんの？」


「は、はぁ？///
ち、違うくてっ！！///」


「はは、分かってるって」






洗濯すりゃ大丈夫っしょ、って
私の濡れたTシャツの裾を掴んで







「どうせ今脱がすしな」







って、意地悪に笑った。







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「……ねっ、は、恥ずかし…っ、///」







いつの間にか降りていく北山さんの唇が
チュッ…、と胸元に触れて
唇に心臓の音が伝わってるんじゃないかってくらい
ドキドキしてる。







「大丈夫。可愛いよ？」


「か、可愛いわけない……っ！」


「なんでよ」





「………人妻だし……、」








その言葉に反応した北山さんは
胸元から少し顔を上げて、私を見上げた。








「人妻だからじゃん」







そう言って妖艶に笑って見せた北山さんに
それだけでキュンと身体が疼いた。








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「だってさ、いつもはこんな甘い匂いしないのに
今日はすげー甘い匂いすんだよ」


「そう…ですか？」







クンクン…、と子犬みたいにするから
やめてっ、て身を捩ると
鼻と鼻をくっつけられて、見つめられた。







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「旦那のための甘い匂いを
俺が今独り占めしてるんだって思うとすげぇ興奮する」






この髪の毛も、って雨で取れてしまったゆる巻きの髪の毛を掬って


この服も、ってTシャツを上まで捲りあげて


この下着も、って器用にホックを外して


この唇も、ってまた甘くキスを落とす。








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「全部、今だけは俺のもんでしょ？」









まだ薄暗い外からの僅かな明かりと
外から聞こえてくる雨の音が思考回路を惑わせた。

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