欲しい愛と、知らない恋 ２

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「……足りないっ！」


「え？なに？まだビール足りない？」


「違ーうっ！！」








翌日、仕事終わりにやってきた
久々のリコちゃんがいる居酒屋。

ガヤガヤと賑わう店内で
私は一人カウンターで、ビール片手に項垂れた。









「全然足りないんだよぉ…」


「だから何が？」


「ひろが……、」









キスまでしかしてくれない。

舌だって絡ませてくるし
もはやペットとの可愛いチュー♪なんてもんじゃないくらいの、えっろいの。

だけど、そこから先には進もうとしない。









「……いや、そういう約束だし
それが正解なんだけどさ…」









その正解を破ってしまってでも
その先に進みたくなってしまっている私の身体。









「ひろって、Aちゃんの飼い主？」


「……うん、」


「足りないってなに？
ご主人様を求めちゃってるの？」


「………うん。」


「やっだー。いんらんペットっ」


「なっ、違うっ、！」


「じゃあなに？」








片付けた食器片手におどけて見せるリコちゃんに
もう何も言えずに黙り込んだ私。







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「ほらね、変にペットになったりするから」


「……でもペットとしての居心地はすごくいいんだよ」


「足りないっ、てヤケ酒までしてるのに？」


「・・・」








やれやれ、って顔をして
飲み過ぎないでねーって仕事へと戻っていく背中を見送りながら
再びビールをグイッと飲み干した。









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「だってさぁ……、」







こんな気持ち、初めてなんだもん。

今まで男の人にここまで自分から求める感情なんて持ち合わせたことなかった。







ご主人様とペット。

そんな関係を結んだはずなのに
小さく積もって広がっていくこの感情は、









───なに？




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