欲しい愛と、知らない恋 ２

６３ ページ14

.





「おかえりーっ」


「ただいま」








玉ちゃんに送ってもらってから10分ほどすると
帰ってきたひろに、玄関までお出迎え。


なんとなく
一秒でも早く会いたくて。









「ん？なんか酒くさっ」


「あ、ごめん。
飲んできたの」


「お前相当飲んだろ、それ」


「でへへ」







わざとらしく笑ってみるけど
ほんとはもうだいぶ酔いなんて冷めちゃってる。

まだスーツ姿のひろに
飛びつくように抱きつくと、ちゃんと受け止めてくれるし。









「どっかで飲んできたの？」


「うん。
行きつけの居酒屋があるんだけどね
仲良しのリコちゃんって子がいて」


「へぇ〜」


「今度一緒に行こ！
リコちゃんがひろに会いたがってたから」


「なにそれ、緊張すんだけど」


「大丈夫。いい子だから」


「やべぇ、好きになっちゃうじゃん」


「なにそれっ」









ペットとしてのヤキモチを妬くように更に抱きつくと
重い、って文句言いながらも
そのままズルズルと私を引きずりながらリビングへ。

お酒の力を利用して
くっつけるだけくっつこうと
離れることもせずにそのままいると、









「どうした？
何か今日甘えただな？」


「……うん、」


「だいぶ酒入ってるから？」


「…そうかも。」








一緒にいてこうやってくっついてると
温もりでどきどきして、離れたくなくなって。

撫でてくれたり、キスをしてもらうと
それだけじゃ物足りなくなって
ペット以上の愛が欲しくなる。









.









「……一緒にお風呂はいろ？」


「は？」


「お背中流してあげましょーか？」









分かんないの。

これがご主人様に対する愛情なのか
それ以上の愛なのか。






.

６４→←６２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す