欲しい愛と、知らない恋 ２

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「……ただいま。」








開けられたドアの向こうにはひろがいて、









「お、おかえりな、

「ミツおかえりー！」








私よりもペットらしく、見えない尻尾をぶんぶん振りながらそう言った玉ちゃん。

でも決して、私を引き寄せてる腕の力は緩めずに。








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「つか、何してんの？」









私と玉ちゃんを交互に見てから
また私に視線を戻して、威圧感たっぷりに睨まれた。





違うよ、違うっ。
これは無理やり抱き寄せられただけで、私の意思じゃないっ。

…っていうのを必死で目で訴えたけど伝わるはずもなく。









「ペットがほかの男とイチャついてんの
見たくないんすけどー」


「ちがっ、

「ごめんごめん。
じゃあまた今度ミツがいない時にイチャつこうね」


「は？！」








何言ってんの？！って今度は私が玉ちゃんを睨んでみたけど
これもまた伝わるはずもなく。








「じゃあね、おやすみ〜」







するりと腕が解かれたかと思うと
めちゃくちゃに可愛い笑顔を残して
風のように去っていった。


なんちゅー可愛い笑顔。

この世のものとは思えないほどの
ふにゃふにゃの可愛さだった。








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「「・・・」」








そしてパタン、と閉まった扉に
ソファに座り込んでる私と、立ち尽くしてるひろ。

時計の針の音だけが聞こえて
一気にシーンと静まり返った室内。









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「……ご飯、食べる？」









その沈黙に耐えきれずそう口を開くと
食べる、って返答が即返ってきて、









「でもその前に、」









一歩ずつ近付いてくるひろに
安心する香りがふわりと香る。









「お仕置きしていい？」









トンっ…、と追い詰められたソファの背もたれ。



視線も香りも、甘ったるいこの空気も
一気にひろでいっぱいになった。

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