はじまる、恋。６

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「今日はご馳走さまでした」


「いいえ、また明日頑張ろうね」






ジャンケンで負けた宮田さんがお支払いをしてくれたから
丁寧にお礼を告げて






「横尾さんもまたお料理教えてくださいね」


「うん、またみんなでご飯いこ」






満腹でもう眠そうな横尾さんにも別れを告げて








「藤ヶ谷さんも、また明日」


「うん、ゆっくり眠ってね」






藤ヶ谷さんからは特別に頭ポンポンも貰って
そのままホテルのロビーで三人と別れた。









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さっきのキスの余韻が残る唇を抑えた。

”Aが俺のことを好きになってくれますように”

この言葉も頭から離れない。

私も藤ヶ谷さんのことが好きなはずなのに
一歩踏み出せないのは、北山さんの存在があるから。








「…あ。」




部屋に通じるエレベーターの前
メイク落としを持ってくるのを忘れたことに気付いて立ち止まった。







そういえばホテルの目の前にコンビニあったよね。

ついでにお水も買ってこようかと、来た道を引き返してコンビニへと向かった。








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「いらっしゃいませ〜」





もうだいぶ夜も遅いこともあって
ほとんど人もいないコンビニ。

一直線に化粧品コーナーでスキンケアセットを手に取って
飲料水コーナーへと向かい





「あ、これ新商品だ」






棚の前、水にしようか
ジュースにしようか、でもジュースだと太るしなぁとか
しゃがみ込んで悩んでいると









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「悩みすぎだろ」









頭上から聞こえてきた
聞き慣れた、鼻にかかるその声。









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「北山さん…！」


「うぃ〜す」








ミネラルウォーターを手にしたマスク姿の北山さんが立っていた。

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