優しい雨

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「きゃ〜！かわいい〜っ！！」









結局あれから幼馴染のゆっこのお家へ。

本当は友達とこれから会うなんて咄嗟の嘘だったけど
何となく嘘を本当にしたくてゆっこの新居へ急遽。







「なに？どうした、急に。
みっくんとケンカでもした？」







赤ちゃんを抱き抱えながら私の気持ちを見透かすように得意げに笑ってて。
その問をはぐらかすように、赤ちゃんのほっぺたをつついた。







「可愛いねぇ…、赤ちゃん。」


「ほんと、この世で一番可愛いよ？」


「ふふ、もはや親バカですか？」


「いや、まじで世界一可愛いもん」







うん。
割とマジで言っちゃってるあたり本当に親バカ全開だ。








「私も赤ちゃん欲しいなぁ」


「みっくんとの子なら可愛い子産まれそうだね〜」


「まさか、やめてよ〜！
みっくんとの子なんて無理に決まってるじゃ〜ん」







・・やば。
自分で言っといて虚しくなってきた。







「……何があったか話してみ？
この世界一可愛い娘が聞いてやるってさ」


「ふふ、本当〜？」






じゃあ聞いてもらおっかな、って
世界一可愛い娘の目の前に顔を寄せると
ミルクの香りと暖かい香りがした。







「……私、もう無理かもしれないの。」


「どうちて？」


「みっくんが別の世界の人すぎて」


「べつのせかい？」


「もう私と一緒にいるべき人じゃない…。」







もちろんまだ産まれて間もない世界一可愛い娘は話せないから
アフレコ役のゆっこがいて。







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「…辛いの、もう……っ、」









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テレビにうつる楽しそうなみっくんを見るのが辛くて

しょうがないって分かってはいても、なかなか会えないのが辛くて

たまに会えてもみっくんの気持ちが分からなくて。







もういいんだよ、みっくん。

私のことなんて手放して、気を遣わなくていいから
もっと自由にキラキラしてもいいんだよ。

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