HONEY LOVE １

元カレ ページ13

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「おー！ゆいか、でかくなったなぁ！」


「たいぴー！」


「たいぴじゃねぇわ！みっくんだわ！」







年に二回程ある、地元の友達の集まり。

昔からの幼馴染みだった
私の旦那と、私と、宏光。







「ゆいかちゃん、たいぴはこんなにチビじゃないよ」


「おーい、俺だってほんとはもっと、

「はいはい、
あ、ほらあっちでパパ呼んでるから行っておいで」


「はーいっ」







おっきな座敷のある居酒屋さん。

奥の方に集まってる数人の顔馴染みな仲間たちと先に来てた旦那の元へ
友達の子供のゆいかちゃんを向かわせて、宏光と入口付近で二人きり。








「久しぶりだな、お前はなんか老けた？」


「はぁ？」


「ふはは、うそうそ。変わってねぇな」


「……宏光もね、」







無駄に近い距離感で顔を覗かれて
昔はいつもサッカーをしていたせいかグラウンドの土の香りがしてたのに
いつの間にか、香水とタバコが混じってるような大人な香り。








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「お、そいつ最近産まれたやつだろ？」


「うん、そう。
10月に産まれたばっかだよ」







抱っこしてた子供を見せると
かわいー、って目尻を下げながら、人差し指でぷにぷにと頬をつついてる。







「抱っこする？」


「え、いいの？」


「うん、私もずっと抱っこしてたから疲れちゃったの」


「はは、俺使われてんじゃん」







そう言いながらも、手を差し出してくるから
その腕にそっと娘を抱かせてやった。

なんだか変な気分。

幼馴染みとはいえ
旦那じゃない男に、産まれたばっかの娘を抱かせるなんて。









「うぅ〜、やべぇ、可愛い〜…」


「ふふ、可愛いでしょ？」


「このまま連れ去ろうかな」


「ばか、犯罪だから」


「じゃあお前も一緒に連れ去る」


「………え？」









娘に向けてたその優しい眼差しから
私に視線を切り替えた瞬間に、鋭くなる。

このスイッチが入るような
宏光の目が好きだった。









「……なーんて。ひびった？」


「……なにそれ、」


「お前やべぇぞ？
人妻なくせに完全に女の顔になってた」


「な、なってないよっ！」


「うっそ〜？」








赤くなってるであろう顔を隠すように頬を抑えると
可愛いママでちゅね〜、って
娘を通してまたドキドキさせてくるし。

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