HONEY LOVE １

＊ ページ8

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「あっ、」


「・・・？」



「あっ、くっそ、」


「・・・？」








近くで聞こえてきたその声に顔を向けると
ちょうど足元にコロコロと転がってきたペットボトル。

あっ、て顔をした北山さんと目が合って
足元のペットボトルとお顔を交互に見やった。








「…これ、北山さんのですか？」


「うん、そう」


「はい、どうぞ」







そのまま拾って手渡すと
それを受け取って、私をじっ…と上目に見つめた。

上目になってるからか
その大きすぎる目に、猫の格好も相まって可愛くて可愛くて。








「あ、あのっ、？」


「……ごめん、開けらんない」


「へ？」


「ペットボトル、この手だと開けらんない」







んっ、て今手渡したばかりのペットボトルを
また私に押し戻すように押し付けられて
少し照れたようにお願いしてくる北山さんに
キュンが止まんない。


いや、なんて言うのかな？
可愛い猫のペットにツンデレされてる感じ？








「ふふ、はいどーぞ」


「あんがと」








肉球のせいでうまく持てないのか
両手で包み込むように持ちながら飲む姿。

・・・可愛い。









「あの、その肉球触ってもいいですか？」


「ん？これ？」


「はい、昔実家で猫を飼ってて
その肉球が懐かしいな〜って思って」


「へぇ、そうなんだ。
いいよ、偽物の肉球で良ければ」







はいっ、て意外にもおっきな手のひらを差し出されて
失礼します、と一言告げてその肉球に触れた。









「…っひゃあ、柔らかいっ！」


「だろ〜？」


「凄く気持ちいいですね！これ！」


「おう、もっと触れ触れっ」


「や〜っ！気持ちいい！」


「気持ちい？」


「気持ちいいっ」


「ふはは」









久しぶりの肉球の感触に興奮しちゃって夢中でむにむにしてたら
上から吹き出すような笑いが聞こえてきて、顔を上げた。

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