蜜色の一雫

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それからコンビニに寄ってくれて
北山さんはあのスイーツを買ってきてくれた時みたいに
どっさりと色んなものを買ってきてくれた。

その中には冷えピタも入ってて
それをおもむろに取り出すと
運転席から身を乗り出して、私の前髪に触れてくる。





「えっ？！」


「ちょっと前髪上げるよ？
冷えピタ貼るから」


「う、え、あっ」




ひーーーん。やだ、恥ずかしい！

めちゃくちゃ至近距離でおでこ全開にさせられて
だからといって抵抗するのも自意識過剰かなって思うし
目の前の彼を見ないように、目をギュッと瞑った。







「っぷ、くくっ」


「えっ？」





今か今かと冷えピタを待ってると
聞こえてくる北山さんの笑い声。

思わず目を開けると、めちゃくちゃ可愛い笑顔が目の前いっぱいに映し出された。





「ははっ、悪ぃ悪ぃ」


「な、なんで笑ってるんですか？！」


「いや、なんかあまりにも必死で目瞑ってるから」


「なっ、…、！！」





なんじゃそりゃあぁあ！！
こっちがどれだけ恥ずかしさを堪えて
目を瞑ってたと思って！！




「はい、完了っ」




ワナワナしてる私を交わすように
素早くぺたっと貼られた冷えピタ。

その冷たさに、ひぇっ！ってなった私を見て
また笑ってる。





「さ、出発するぞ」




そしてまた何事もなかったかのように運転席に戻り
ハンドルを手にした。

恐らく赤くなってるであろう顔を抑えてると
外にいる通行人と目が合って、すぐにふいっと逸らされる。




あぁ…、これは絶対イチャイチャしてると思われてるんだろうな。

こんな真昼間のコンビニの駐車場で
なにをやってるんだ……。







「もう本当勘弁してくださいよ………」


「ん？」


「いえ、なんでもないです……」





なんだよ〜、って笑う北山さんの横顔は
さっきまで私を心配してたちょっと不機嫌な様子とは一変
ちょっと楽しそうにまで見える。

そんな私も具合が悪いにも関わらず
この状況にちょっと心が踊ってたんだ。

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