VersuS 2 ページ8
「どう?最近ミツと」
だいぶパーティーも終盤に差し掛かった頃
ミツがベランダでタバコを吸いに行っている間
裕太がお酒を口に運びながらそう尋ねられる。
「ん〜…、別に普通?」
「そっか、普通が一番だよね」
毎日仕事で顔会わせたり、たまに三人で飲みにいったりしてるけど
こうして改まって裕太に宏光とのことを聞かれたのは初めて。
「なに?どうしたの、急に」
「ん?別に〜」
そのとき
カタン、とお酒をテーブルに置いたかと思うと
テーブルを挟んだ向こう側の裕太の手が
私の唇をとらえて
そのとつぜんの出来事に、ただ固まることしか出来なくて。
「唐揚げ食べた?すんごいテカテカしてる」
ふわって優しく笑いながら
唇を指で拭ってくれるその仕草も優しくて。
しん、と静まり返った部屋に
だんだんと心拍数を上げていく心臓の音が聞こえそう。
.
や、やばい。
ど、どきどきが…っ、
.
.
.
「おい、こら」
バーン、とベランダのドアを開けて
勢いよく登場した宏光。
さっきまでの空気が一変
唇から手を離されて、私も袖で唇をぐいっと拭った。
裕太にドキドキしてしまった罪悪感を拭うように。
「何してたんだよお前ら、人の誕生日に」
「Aの口、触ってた」
「はぁっ?!」
眉間に皺を寄せ始めた宏光。
「違うよっ、誤解!!
私の口になんかついてたのを取ろうとしてくれただけなんだよねっ?!」
「違うよ、Aの唇がおいしそうだったから触ったの」
「・・・」
せっかく人が宏光のフォローに入ろうとしてるのに
ちっともその気持ちを汲んでくれようともしない男。
それが玉森裕太。
.
「おまっ…、まじ帰れっ!!」
「やだっ!!泊まってくっ!!」
「はぁ?!誕生日の夜くらい気使って帰れよっ!」
「だから嫌なんじゃん。
これから俺が帰ったら二人でイチャイチャするなんて納得いかない!
俺もまぜてよっ!」
「まぜてよ、ってなんだそれ」
「ミツと一緒にいたいし…、」
「お、え、そ、そうなの…?」
おい。
きゅるん、と見つめる裕太に
満更でもないって顔しないでよ。
「なに本気にしてんの、きも。」
「・・・」
うん。
いつの間にかいつもの二人。
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はちみつ(プロフ) - honeymilkさん» コメント見落としチェック中でして今更ながら気付きました、ごめんなさい謝。好きって言わせる方法気に入っていただけてありがとうございます^^*その後ですね、随分時間が空いてしまいましたけど、よろしかったらまた遊びに来てくださいね♪ (2019年5月7日 22時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
honeymilk - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにすみません...。 物語読みました。 物語は短編で完結していますが....。 3つあるお話の中で好きって言わせる方法のその後が気になります。 (2018年5月3日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ぷにぷにさん» ありがとうございます!お陰様で無事に終わりました♪私も好きって言わせる方法が一番書いてて楽しくてつい長くなっちゃって!笑。そう言っていただけるならまた番外編書きたくなっちゃいます(*´∀`)いつか機会があったら書くので待っててくださいね♪笑 (2017年9月19日 12時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ソフィアさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます(^^)実は誕生日もあの日のことも覚えててくれたなんて、さすがみっくんですよね〜(*´∀`)でもリアルみっくんは女の子の誕生日マメに覚えてるタイプではないような。笑 (2017年9月19日 12時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ぽっぽさん» 3パターン書いてると頭がごちゃごちゃになっちゃって、微妙な展開になっちゃったかなぁと不安だったのでそう言っていただけてうれしいです(*´∀`)また今日から連載中のものの更新がんばるのでまたそちらでお会いしましょうね(^^)♪ (2017年9月19日 12時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2017年9月16日 11時