SEVEN WISHES

みつ ２ ページ20

「よっ！A久しぶりだな〜っ！」








相変わらず人懐っこく
空いていた私の隣の席にドカッと座り、ビールを注文するみつに
ごゆっくり〜ってニヤニヤしながらあっちゃんが席を外していく。









「飲んでる？」


「う、うんっ」


「なんか変な感じするな〜！
制服着てるAしか記憶にないから、今こうやって目の前で酒飲んでるA見るのすげー新鮮」


「確かに、卒業以来会ってないもんね」


「つーかそっちが俺んこと避けてただろ？」


「別に避けてたわけじゃないけど…」


「だから今日Aも来るって聞いてさ、俺速攻で参加に丸つけたから」


「・・チャラいね、相変わらず」


「チャラくねぇよ、本当のことだし〜♪」









もう酔ってるんだか、誰にでもそう言ってるんだか分かんないけど
そんな軽い事を言うみつに引いた目線をおくると、気にせず笑ってるその姿。









笑顔の可愛さは変わってないなぁ。


目尻の皺と、可愛いリスみたいな口元と。








.









「お前まだ結婚してないんだって？」


「あ、今それ禁句だから〜っ！」


「もう３０過ぎたんだぞ〜？やべぇぞ〜？」


「みつだってまだ結婚してないじゃないのよっ！」


「はは、確かに〜」









もうっ！って怒る私をなだめながら
いつの間にかお酒の力もあってか
二人で昔の話やら、今の話やらで盛り上がっていて
気づけば同窓会もお開きの時間。









.









「二次会とか、全くないんだね」


「そりゃ家族がみんな待ってるしね〜」






帰り際に店の外でパラパラと帰っていく人たちの中、あっちゃんとそんな話をして
またね〜ってあっちゃんも帰っていく。









「・・かえろ、」









何ともいえない寂しさの中、私も帰ろうと一歩踏み出そうとすると
後ろから突然に腕をひかれて、振り向くとみつの姿があった。







.





「帰んの？」


「え？あ、うん。
みんな帰るみたいだし…」


「ちょっともう一軒付き合ってよ、どうせ暇だろ？」


「ひ、ひまじゃないしっ！」


「じゃあ、行かねぇの？」









腕を掴まれたまま、真っ直ぐに見つめられながらそう言われて









「・・・行っても、いい、けど・・」


「うしっ、じゃあ行くか♪」









そのまま二人で二次会に突入。

みつ ３→←みつ １

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す