SEVEN WISHES

千ちゃん ２ ページ14

「おいしいっ！なにこれっ！」







もはや、生活レベルが違いすぎて
なんの料理かも分からないものを食べてるけど
めっっちゃおいしいっ！！！









「こっちもおいしいよ♪」


「ほんとっ？たべたーい！」


「はいっ！いっぱい食べてね♪」








どーぞ、ってビーフシチューみたいなものを差し出す千ちゃんは、まるで舎弟のよう(失礼)








「千ちゃんは今仕事とかなにしてるの？」


「ん？普通に会社員してるよ」


「へぇ〜！あの千ちゃんがっ！」


「どの千ちゃんだよっ！」







ぎこちない可愛いツッコミをうけて、思わず笑ってしまうと
千ちゃんまで照れ笑いしだすし、本当に中身は純粋なままだな。









「Aさんは？何してるの？」


「私も普通にOLしてる〜」


「彼氏は？」


「残念ながらいな、

「よしっ！！！」









いないよ、って言おうとしたところで
被せ気味にガッツポーズし出して、嬉しそうにしてるその姿。









「健永、まだAちゃんのこと好きなのよ？」


「わっ、ちょっ、お母さんそれ言うなよっ！」








そう言って焦ってる千ちゃんだけど
さっきのガッツポーズで、もう私への気持ちモロバレですけど。









「もうあれから１０年近くたってるのに…？」


「いつまででもチャンスがある限りは諦めないもん、俺」








自分の親の前で、そんな事が言える千ちゃんは逆に凄い。

当の本人はあっけらかんとしてるけど、こっちが恥ずかしいくらい。









.









「お腹いっぱ〜い！」


「Aさんっ、デザートもあるよ？」


「デザートっ！！」









.









「もう遅いし、今日は泊まっていかない？」






デザートを食べ終えてみんなで談笑中の中
千ちゃんママがニコニコとそう提案してくる。







「やっ、でもさすがにそれは…、」


「いいじゃん！俺のベッド広いし、全然ふたり一緒でも大丈、
・・いてっ！！」








さすがに暴走しすぎな千ちゃんの発言に、息子の頭を叩いているお母さん。









「部屋なら沢山余ってるから是非泊まっていって♪」








そう言うと、パタパタと洗面所まで行き
高そうなスキンケア用品を私の前まで持ってきて
美容レッスンをされて、もはや帰るとは言えない状況を作られてしまった。

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