SEVEN WISHES

裕ちゃん １ ページ1

「あれ？裕ちゃん？」









お盆帰省中、お墓参りにて出くわした玉森裕太こと、裕ちゃん。


私の幼馴染。


高校卒業以来、全然会ってないから
会うのは約１０年ぶり？









「…ん？だれ？」


「えぇっ？！Aだよ、A！」


「A…？
えっ、Aってあのデブの？」


「デブって…、」


「えー！めっちゃ痩せたね！」


「おかげさまで…」









相変わらず悪気のないド直球なやつ。









「裕ちゃんこそ、随分イケメンになったねぇ」


「そう？そんな変わってなくない？」


「いや、めっちゃ変わってる」









昔は、可愛らしい少年だったのに
大人っぽくなって男を感じるその風貌。








「Aいま何してんの？」


「目黒で働いてるよ」


「え？まじ？
俺も目黒で働いてんだけど！」


「そうなの？
ずっと会ってなかったけど案外近くにいたんだね」








成人式でも、同窓会でも会うことはなかったのに
案外近くにいたことにビックリしていると
タタタッと裕ちゃんの方へ駆け寄ってきた五歳くらいの可愛らしい女の子。









「お、鈴〜どうした？」









見た目は男らしくなっているものの
ふにゃふにゃな笑顔は昔と変わってない。









「…このおねぇちゃん、だぁれ？」


「ん？お友達」


「はじめまちて、すずっていいますっ」


「鈴ちゃんっていうの？可愛い〜！！
お姉さんは、Aっていいます」






ペコッて可愛くお辞儀する鈴ちゃんの目線に合わせてしゃがみこんでニッコリすると、弾けんばかりの笑顔を見せられる。


ふにゃふにゃな笑顔が裕ちゃんに似ているような…？

裕ちゃん ２→

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